3月, 2013年

酒類販売業の法人成りの手続き

酒類販売業の免許を個人事業主として取得した後に、会社組織にして引き続き酒類販売業を行いたい時は、法人成りの手続きが必要です。
これは実質的には、法人としての新規の取得となります。添付書類を少し省略することはできますが、法人として酒類販売業免許の要件を満たしているかの審査されますし、登録免許税も当然必要です。

この時、これまでの個人事業主としての免許は取消しの手続きを同時にしなければなりません。
取消の手続きは、『酒類販売業免許取り消申請書』という書類と、次葉7の書類を提出することによって行います。
法人としての免許が付与されたと同時に取消となります。

次葉7には、『現に所持する酒類の数量及びその処分方法』を記入します。
現在個人事業主としての在庫をどのように処分するのか記入します。

例えばすべて売り切るとか、自己消費する、又は返品する等の記入が必要です。
個人事業では小売業免許しか持っていなかった場合、在庫を新規の法人に売ることは卸売になるためできませんので注意が必要です。

また、全酒類卸売業免許のような抽選により申請できる免許の場合、個人事業で取得していた免許がそのまま引き継がれるかは、販売実態によります。
全酒類卸売の免許を持っていたが、実際は小売りしかしていなかった又は販売数量が少ないというような場合には、そのまま免許を引き継ぐことはできません。
引き続き全酒類卸売業免許を取得したい場合には、年に1回行われる抽選により申請できるかが決まります。

酒類販売業者の概況

酒国税庁課税部酒税課による『酒のしおり(平成25年3月)』より
平成24年3月末現在の酒類販売業免許場数は192,466場であり、このうち酒類卸売業免許は11,685場、酒類小売業免許は180,781場との事。

業態別の販売場数

区分 平成21年度 平成22年度
一般酒販店 61,768 59,284
コンビニエンスストア 47,175 47,853
スーパーマーケット 19,998 20,218
百貨店 462 447
量販店 3,428 3,479
業務用 2,218 2,452
ホームセンター・ドラッグストア 7,689 8,467
その他 18,511 19,677
合  計 161,249 161,877

酒類販売媒介業免許の申請

「酒類の販売の媒介業」とは、他人間の酒類の売買取引を継続的に媒介(取引の相手方の紹介、意思の伝達又は取引内容の折衝等その取引成立のためにする補助行為をいう。)することをいい、営利を目的とするかどうかは問いません。
標準処理期間は原則として4カ月以内で、登録免許税は9万円です。

年平均取扱見込数量については、平成24年より原則廃止し、「予定している媒介業を継続して行う見込みがある者」か否かで取扱能力を判定します。ただし、年平均取扱見込数量が100kl 以上である者は、取扱能力を有している者として取り扱います。

税務署からも通常の販売業免許を取得されることを勧められることも多く、この免許を取得される方はあまりいないようです。

酒類販売業免許通知書の交付

酒類販売業免許申請後、酒類指導官の審査が無事終了すると、免許通知書が交付されます。
酒類指導官から『審査が終わりましたので、通知書の交付日の調整したい』と連絡がはいります。
酒類指導官と申請者の日程を調整して交付日が決定されます。

行政書士が代行した場合でも、酒類販売経験がないような申請者の場合には、事業主に来署していただく必要があります。
免許通知書の交付と同時に、酒類販売を行なう上で遵守していただく事項を説明されます。
税務署によっては、税務署長より交付される場合もありますし、相談スペースにて担当者から手渡しされる場合など様々です。

この免許通知書には、お酒を販売できる場所、お酒の販売方法、販売できるお酒の種類等が記載されます。
また通知書の2枚目には、販売場の図面が綴じられています。この販売場でのみ酒類販売が認めらるということになります。

酒類販売業の場合は、免許証のようなものは無く、免許条件が記載された通知書が交付されるだけです。
また免許番号もありませんが、通知書には文書番号が記載されていますので、その文書番号を免許番号の代わりにしている業者さんが多いようです。
この免許通知書は販売場に掲示したり、備え置いたりする必要はありません。

この通知書は、紛失された場合でも再発行はされませんので、大切に保管しておきましょう。

また免許は更新もありませんので、一度取得すれば取り下げるまで永続的に販売することができます。

免許後に行なうことは、毎年4月に1年間にどれだけ販売したか記載した数量報告を提出します。
何年も販売実績が無いような場合には、税務署から取り下げを指示されることもあります。
数量報告書の提出がないと販売していないのではないかと判断され、取り下げを指示されてしまいますので忘れずに提出しましょう。

酒類販売業免許申請に必要な所要資金

酒類販売業免許の申請には、最初の月の仕入れなどに必要の所要資金を上回る資金が必要です。
その所有資金の証明として銀行通帳のコピーを提出します。

会社を設立したばかりの場合、会社用の銀行口座を開くのに1か月ぐらいかかる場合があります。
その場合は、会社設立時に使用した、資本金を振り込んだ発起人の口座のコピーを提出します。
会社用の銀行口座が開設できましたら、後日の提出でも構いません。

現在、会社の銀行口座を作るのは時間がかかります。特にメガバンクの場合は一度は断られることも多いようです。
先日ご依頼いただいた会社では、以前から付き合いのあった地方銀行に申し込んだところ、約1週間で口座が開設されたそうです。

スムーズに銀行口座を開設するのであれば、知り合いの会社から銀行を紹介してもらうのが良いかもしれません。

酒類販売業免許申請の代行を依頼するメリット

酒類販売業免許を取得するためには、定められた書類を作成し、税務署に提出して審査を受けなければなりません。
現時点では、書類の作成方法を書いた書籍等は市販されていませんので、国税庁のウェブサイトにアップされている手引きを読んで作成することになります。

ご自身で調べながら作成して、申請することはできますが、書類の作成が不慣れな方の場合は時間がかかってしまいます。
通常であれば審査期間は2ヶ月のところを、書類に不備があるため、追加書類の提出を求められ、3~4か月もかかってしまうこともあるようです。
免許がなければ酒類を販売することはできませんので、この期間は何も生み出さない無駄な時間となってしまいます。

事業計画に合わせ、通常の審査期間の2ヶ月で免許を取得することをお考えでしたら、行政書士に依頼されることをお勧めします。

酒類販売時の年齢確認方法

通信販売で酒類を販売する場合には、 未成年者の飲酒防止に関する表示基準に基づき、カタログ等(インターネット等によるものを含む。)に次の事項が表示されていることが必要です。

1. 「未成年者の飲酒は法律で禁止されている」又は「未成年者に対しては酒類を販売しない」旨(カタログ等)
2.申込者の年齢記載欄を設けた上で、その近接する場所に「未成年者の飲酒は法律で禁止されている」又は「未成年者に対しては酒類を販売しない」旨(申込書等)
3. 「未成年者の飲酒は法律で禁止されている」旨(納品書等)
4.上記1又は2について、10ポイントの活字(インターネット等による場合には酒類の価格表示に使用している文字)以上の大きさの統一のとれた日本文字で明りょうに表示していること

年齢確認の方法として、通信販売の場合は、相手の顔が見えませんので、例えば『20歳以上』という項目にチェックをしてもらう方法ではなく、生年月日を入力してもらう必要があります。
ただし、身分証明書等を用いて本人確認をすることまでは求められません。

酒類販売業者の販売場の移転

酒類販売業免許の効力は、人(法人又は自然人)と場所に及ぶものであるため、引越しなどで販売場が移転する場合は、「酒類販売場移転許可申請書」を提出しなければなりません。
標準処理期間は2か月です。新規の申請と同じ期間かかります。

移転先の賃貸契約書や、会社の本店移転であれば、移転後の謄本が必要になります。
移転の許可が下りるまでは、移転先で販売をすることはできません。

同じ建物の中での移動の場合は、『異動申告書』の届出になります。
『異動申告書』は、業者の住所、氏名又は名称等の変更があった場合の申告手続きです。
こちらは届出だけで審査期間はありません。

酒税法上の記帳義務

酒類販売業者には、酒税法の規定により、記帳義務が課されています。
酒類販売業者が、この義務を履行しない場合には、罰金又は科料に処されることとなっています。

酒類販売業者は、酒類の仕入れ、販売に関し次の事項を帳簿に記載しなければならないこととされています。
なお、帳簿の様式は定めていませんので、必要な記載事項が網羅できるものであれば、ご自分の作成した様式を使用することもできます。

(1) 仕入れに関する事項

酒類の品目別及び税率の適用区分別(アルコール分別など)に、
・ 仕入数量
・ 仕入価格
・ 仕入年月日
・ 仕入先の住所及び氏名又は名称

(2) 販売に関する事項

酒類の品目別及び税率の適用区分別(アルコール分別など)に、
・ 販売数量
・ 販売価格
・ 販売年月日
・ 販売先の住所及び氏名又は名称

 酒類販売業者が作成する帳簿は、その販売場ごとに常時備え付けておき、帳簿閉鎖後5年間保存する必要があります。

未成年者の飲酒について

未成年者の飲酒は『未成年者飲酒禁止法』で禁じられています。親権者等は、その子どもが飲酒していることを知ったときは、これを制止しなければならず、制止しない場合は、科料に処せられます。

酒類販売業者は、未成年者の飲酒防止に資するため、年齢の確認その他の必要な措置を講じなければなりません。
年齢確認のその他の必要な措置としては、次のようなものが考えられます。

1.未成年者と思われる者に対する年齢確認の徹底
2.夜間における未成年者の酒類購入を責任を持って防止できる者を配置するなど販売体制の徹底
3.未成年者が酒類を清涼飲料水と誤認して購入しないよう、酒類特に清涼飲料水的な酒類と清涼飲料水との分離陳列の実施
4.未成年者のアクセスを防止するよいう改良された酒類自動販売機い以外の酒類自動販売機の徹底及び設置した改良型自動販売機の適切な管理
5.カタログ販売やインターネット販売等の通信販売形態で酒類を取り扱う場合における未成年者飲酒防止の注意喚起及び申込者の年齢記載・年齢確認の徹底
6.ポスターの掲示などによる未成年者飲酒防止の注意喚起
7.アルコール飲料としての酒類の特性、特に未成年者の心身に対する悪影響及び未成年者と思われる者に対する年齢確認の実施方法などの従業員研修等の実施

未成年者が飲用することを知って酒類を販売又は供与した場合には、50万以下の罰金に処せられます。
未成年者飲酒禁止法の規定に違反し罰金の刑に処せられた場合には、酒税法の規定により酒類販売業免許等の取消事由になります。

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