飲食店で提供しているワインを、店頭でボトル販売したり、インターネットで販売したりする場合には、飲食店営業とは別に酒類販売業免許が必要です。
今回は、渋谷区広尾でフレンチレストランを経営する法人様からご依頼をいただき、フランスから直接輸入したワインを店頭とインターネットの両方で販売するため、一般酒類小売業免許と通信販売酒類小売業免許の取得をお手伝いしました。
飲食店で酒類販売業免許を取得する場合には、客席や厨房と酒類の販売場所をどのように区分するかが重要なポイントとなります。
今回は、レストラン内での販売区画の確保が難しかったため、2階の事務所スペースを販売場として申請しました。飲食店が新たに酒類の物販を始める際の参考となる事例としてご紹介します。
1. 事例の概要
今回は、渋谷区広尾でフレンチレストランを経営する法人様からご依頼をいただき、フランスから直接輸入したワインを店頭とインターネットで販売するため、一般酒類小売業免許と通信販売酒類小売業免許の取得をお手伝いしました。
飲食店で酒類販売業免許を取得する場合には、飲食スペースと酒類の販売場所を明確に区分することが重要です。
今回のケースでは、レストラン内に販売場所を設けることが難しかったため、2階の事務所スペースを販売場として申請しました。
以下、今回の申請内容をまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 港区の法人(フレンチレストラン経営) |
| 販売場所 | 渋谷区広尾 |
| 取得免許 | 一般酒類小売業免許・通信販売酒類小売業免許 |
| 販売するお酒 | フランスから輸入したワイン |
| 初回相談 | 2015年6月19日 |
| 申請日 | 2015年8月11日 |
| 免許取得日 | 2015年10月13日 |
2. この事例のポイント:販売場所の確保
酒類販売業免許(一般酒類小売業免許)を取得するには、販売場所を明確に区画する必要があります。飲食店の場合、厨房や客席とは別に「酒類の販売場」として独立したスペースを確保しなければなりません。
今回のケースでは、レストランのフロアでは販売区画を確保することが難しいという状況でした。そこで、レストランの2階にある事務所スペースを販売場所として申請することで、この問題を解決しました。
飲食店で酒類販売業免許を取得する際によくあるお悩みのひとつが、この「販売場所の確保」です。店内のどのスペースで免許を取るかは、審査にも関わる重要なポイントです。どうすれば販売場所として認められるかについては、個別の状況によって異なりますので、まずはご相談ください。
3. 一般酒類小売業免許と通信販売酒類小売業免許の違い
今回は2つの免許を同時に取得しました。それぞれの違いを簡単に説明します。
一般酒類小売業免許は、店頭での対面販売に必要な免許です。店舗に来店したお客様にお酒を販売する場合はこちらが必要になります。
通信販売酒類小売業免許は、インターネットや電話・カタログなどを通じてお酒を販売するための免許です。ただし、国産の酒類を通信販売する場合は、年間製造量が3,000キロリットル未満の酒造会社が製造したものに限るという条件があります。輸入ワインについてはこの制限はなく、通信販売が可能です。
店頭販売とネット販売を同時に始めたい場合は、両方の免許を同時に申請することができます。
4. 飲食店が酒類販売業免許を取得する際の注意点
飲食店が酒類販売業免許を取得するケースでは、以下の点に注意が必要です。
販売場所と飲食スペースの区別 飲食スペースと販売スペースは明確に区分される必要があります。レジや棚の配置も含めて、審査の前に確認が必要です。
期限付酒類小売業免許との違い 祭りやイベントなど、単発・短期間だけ酒類を販売する場合は「期限付酒類小売業免許」という別の免許もあります。継続的にお酒を販売したい場合は、一般酒類小売業免許が必要です。
輸入ワインの販売と免許の関係 フランスなど海外からワインを輸入して消費者に販売する場合、「輸入酒類卸売業免許」は不要で、一般酒類小売業免許(または通信販売酒類小売業免許)で対応できます。飲食店への販売は酒税法上「小売」に該当するため、この免許の範囲で対応可能です。輸入した酒類を、酒類販売業免許を持つ酒販店等(卸売業者・小売業者)へ卸す場合は、別途卸売免許が必要になります。
5. 申請から取得までの流れ
今回のケースでは、初回相談から免許取得まで約4ヶ月かかりました。酒類販売業免許の審査には通常2〜3ヶ月程度かかります(税務署の繁忙期などにより前後します)。
販売開始の時期が決まっている場合は、余裕を持って早めにご相談いただくことをおすすめします。
6. よくある質問
Q. 飲食店のフロア内に販売スペースを確保できない場合、どうすればよいですか?
本事例のように、店舗とは別のスペース(2階の事務所等)を販売場所として申請する方法があります。販売場所として認められる要件は個別の状況によって異なるため、店舗の図面等をもとにご相談いただくのが確実です。
Q. 輸入ワインを飲食店(自店以外)に販売する場合も、一般酒類小売業免許で対応できますか?
対応できます。飲食店は酒類販売業免許を持たないため、酒税法上は「小売」に該当します。一般酒類小売業免許の範囲内で販売可能です。卸売免許が必要になるのは、酒類販売業免許を持つ酒販店・酒問屋等へ販売する場合です。
Q. 期限付酒類小売業免許と一般酒類小売業免許は、どう使い分ければよいですか?
祭りやイベントなど単発・短期間の販売であれば期限付酒類小売業免許、継続的に店頭・ネットで販売するのであれば一般酒類小売業免許(通信販売も行うなら通信販売酒類小売業免許も)を選ぶのが基本的な考え方です。
Q. 輸入ワインを自ら輸入して卸売もしたい場合、どの免許が必要ですか?
自ら輸入した酒類を、酒類販売業免許を持つ事業者へ卸売する場合は、輸入酒類卸売業免許が必要です。消費者や飲食店への販売のみであれば、一般酒類小売業免許(または通信販売酒類小売業免許)の範囲で対応できます。
まとめ
- フレンチレストランが、輸入ワインの店頭販売・ネット販売のため一般酒類小売業免許・通信販売酒類小売業免許を同時取得した事例
- 飲食店ではフロア内に販売スペースを確保しにくいケースがあり、別スペース(事務所等)を販売場所とすることで対応できる場合がある
- 飲食店への販売は酒税法上「小売」に該当するため、卸売免許が必要になるのは酒類販売業免許を持つ事業者への販売の場合のみ
同じようなお悩みをお持ちの方へ
- フレンチ・イタリアンなどのレストランで、仕入れたワインを店頭・ネットでも販売したい
- 飲食店内に販売スペースを確保できるか不安
- 一般免許と通信販売免許、どちらが必要かわからない
- 輸入ワインの販売に必要な免許がわからない
このようなお悩みがある方は、行政書士岩元事務所にお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。










