最近、テレビCMや街中、ショッピングセンターなどで、買取専門店をよく見かけるようになったと思いませんか?なかでも、フランチャイズの買取店は各地で店舗数を増やしています。
当事務所でも、買い取ったお酒を販売したいという買取事業者様から、酒類販売業免許の申請についてご依頼をいただく機会が増えています。
今回は、買取業のフランチャイズに加盟し、お酒の買取販売を始めるために酒類販売業免許を取得した事例をご紹介します。
概要
神奈川県で大手買取業のフランチャイズに新規加盟し、店舗での買取品販売・オンライン販売・同業者向け卸売の3つの販路をカバーするため、一般酒類小売業免許、通信販売酒類小売業免許、洋酒卸売業免許の3免許を同時に申請した事例です。出店先がスーパーマーケットの一角であったため賃貸借契約の整理が必要になったほか、土地の地目が「田」のままになっていたことから農地法上の届出も並行して進めることになりました。
依頼者の状況
依頼者は2年前から個人事業主として別分野の事業を営んでおり、今回、神奈川県内で買取業のフランチャイズに新たに加盟することになりました。買取業に携わるのは今回が初めてで、酒類の買取・販売についても未経験からのスタートです。買い取った酒類については、店舗での一般販売に加えてインターネットでの通信販売、さらに他の事業者への卸売も行う計画があったため、一般酒類小売業免許・通信販売酒類小売業免許・洋酒卸売業免許の3つを同時に申請することになりました。
店舗は、スーパーマーケットの一角を借りて出店する形態でした。フランチャイズ加盟にともなう出店であるため、貸主側の事情や物件の権利関係など、依頼者本人だけでは把握しきれない部分も多くありました。
申請・取得の経緯
2025年8月4日にお問い合わせをいただき、すぐに必要書類の準備と物件関係の確認を開始しました。賃貸借関係などを整理したうえで、同年8月14日に一般酒類小売業免許・通信販売酒類小売業免許・洋酒卸売業免許を同時に申請しました。
申請後の8月29日には、依頼者様に酒類販売管理研修を受講していただきました。その後、税務署による審査を経て、10月8日に3種類の免許を取得しました。最初のお問い合わせから免許取得までは、約2か月でした。
| 問合せ | 2025年8月4日 |
|---|---|
| 申請 | 2025年8月14日 |
| 研修受講 | 2025年8月29日 |
| 免許取得 | 2025年10月8日 |
ポイント
今回の事例では、店頭販売・インターネット販売・事業者への卸売を行うため、販売方法に応じた3種類の酒類販売業免許を同時に申請しました。それぞれのポイントを順番にご紹介します。
① 一般酒類小売業免許・通信販売酒類小売業免許・洋酒卸売業免許の同時申請
買取業は、店頭での買取品販売だけでなく、ネットオークションやECサイトでの通信販売、さらには同業者や飲食店向けの卸売まで手がけるケースが少なくありません。今回のケースでも、フランチャイズの事業モデルに合わせて、小売・通信販売・卸売の3つの免許を同時に取得する必要がありました。免許ごとに販売できる範囲や要件が異なるため、事業計画に沿ってどの免許が必要かを整理したうえで、それぞれの要件を満たす形で申請書類を作成しました。
② 賃貸人と所有者が異なる物件―転貸借の関係を書類で整理
出店先はスーパーマーケットの一角でしたが、依頼者と直接契約を結ぶ賃貸人と、物件の所有者が別人格であることが分かりました。酒類販売業免許の審査では、販売場を使用する権原(賃貸借契約等)を書類で確認されるため、依頼者と賃貸人との契約書だけでなく、所有者と賃貸人との間の契約書も併せて用意していただく必要がありました。転貸借の関係にある物件では、この「大元の契約関係」まで遡って書類を揃えることが審査をスムーズに進めるうえで重要になります。
③ 依頼者に代わってスーパーマーケット担当者と直接調整
賃貸借の経緯や物件の権利関係について、依頼者自身では十分に説明しきれない部分がありました。そこで、依頼者からスーパーマーケット側の担当者をご紹介いただき、事務所から直接連絡を取って事情を確認し、必要書類の内容を説明しました。フランチャイズでの出店では、物件のオーナーや管理会社が複数関与し、依頼者だけでは全体像を把握しきれないことがあるため、専門家が窓口となって調整することで手続きを前に進めることができました。
④ 地目が「田」のままの土地―農業委員会での届出受理済証明書の取得
出店予定地を登記情報で確認したところ、地目が「田」のままになっていることが判明しました。実際にはスーパーマーケットの敷地として利用されており農地としての現況はありませんでしたが、酒類販売業免許の申請にあたっては、この点を書類上で明確にしておく必要がありました。そこで、自治体の農業委員会に地目や必要な手続きについて確認したところ、届出受理済証明書の取得で対応できることが分かりました。農業委員会への連絡・手続き方法の確認は事務所で行い、実際の取得手続きは依頼者ご本人に窓口へ足を運んでいただく形で進めました。
まとめ
今回の事例のように、買取業のフランチャイズ加盟にともなう酒類販売業免許の取得では、小売・通信販売・卸売という複数の免許を同時に整理する必要があるほか、出店先の物件の権利関係や土地の地目といった、依頼者だけでは気づきにくい論点が絡んでくることがあります。特に、賃貸人と所有者が異なる物件や、地目が実態と異なっている土地では、通常の申請より用意すべき書類が増えるため、早めの相談が手続き全体をスムーズに進める鍵になります。
買取業と酒類販売業免許の関係について制度面から詳しく知りたい方は、買取業・リサイクルショップがお酒を販売するために必要な免許や、フリマアプリ・ネットオークションでお酒を販売するには免許が必要?行政書士が解説もあわせてご覧ください。
買取業への新規参入や、フランチャイズ加盟にともなう酒類販売業免許の取得をお考えの方は、お気軽にご相談ください。










