買取事業でお客様から買い取ったウイスキーやブランデーなどの洋酒を、一般消費者には販売せず、酒販店など特定の事業者へ販売する場合には、販売方法に応じた酒類卸売業免許が必要となります。
今回は、千葉県柏市でリサイクル事業や一般求人広告の代理店業務を行う会社様からご依頼をいただき、買い取った洋酒を決まった取引先へ販売するため、洋酒卸売業免許の取得をお手伝いしました。
申請後、税務署からは、酒類を買い取る際の「買取申込書」について追加確認があり、同じ売却者から継続して酒類を仕入れることがないよう、確認事項を追加した書類を提出しました。
買取事業者が一般消費者への販売を行わず、事業者への卸売に限定して酒類を取り扱う場合の免許申請事例としてご紹介します。
1. 事例の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 千葉県柏市 |
| 申請者 | 法人 |
| 主な事業 | リサイクル事業・一般求人広告の代理店業務 |
| 取得した免許 | 洋酒卸売業免許 |
| 取扱予定の酒類 | 買取したウイスキー・ブランデー等の洋酒 |
| 販売方法 | 決まった取引先への卸売 |
| 一般消費者への販売 | なし |
| ご依頼日 | 2025年2月18日 |
| 申請日 | 2025年3月10日 |
| 免許日 | 2025年4月30日 |
| 主なポイント | 買取相手が継続的な酒類販売者とならないよう、買取申込書の内容を追加 |
2. ご相談の経緯
今回ご相談いただいた会社様は、千葉県柏市でリサイクル事業や一般求人広告の代理店業務などを行っていました。
リサイクル事業の一環としてウイスキーやブランデーなどのお酒を買い取り、その商品を決まった取引先へ販売する事業を始めることになりました。
一般消費者への店頭販売やインターネット販売は予定しておらず、買い取った洋酒を特定の事業者へ販売する事業モデルでした。
そこで、予定している買取・販売方法を確認したうえで、洋酒卸売業免許を申請することになりました。
3. この事例のポイント
今回の申請では、買取した洋酒の販売先だけでなく、酒類を「誰から買い取るのか」についても税務署から確認がありました。特に、同じ売却者から継続的に酒類を買い取る場合の取扱いがポイントとなりました。
① 一般消費者へ販売せず、特定の取引先へ洋酒を卸売
今回の事業では、買い取った酒類を一般消費者へ販売する予定はありませんでした。
販売先はあらかじめ決まった事業者で、買い取ったウイスキーやブランデーなどの洋酒を卸売する事業モデルです。
そのため、本件では一般酒類小売業免許や通信販売酒類小売業免許ではなく、洋酒卸売業免許を申請しました。
酒類の買取事業では、「買い取ること」だけでなく、その後に誰へ販売するのかによって必要となる免許が変わります。
たとえば、一般消費者へ店頭販売する場合と、酒販店などへ卸売する場合では必要となる免許が異なるため、申請前に販売先や販売方法を整理しておくことが重要です。
② 税務署から「買取申込書」について追加確認
2025年3月10日に洋酒卸売業免許を申請したところ、3月19日に税務署から買取時の書類について追加確認がありました。
今回確認されたのは、申請者が酒類を販売する側ではなく、酒類を買い取る相手方の取引状況です。
個人などから不要となった酒類を単発で買い取るケースと、同じ者から繰り返し・継続的に酒類を仕入れるケースでは、取引の実態が異なります。
本件では税務署から、同じ者が繰り返し酒類を売却するような場合には、その売却者側についても酒類販売業免許の要否を確認する必要があるとの説明がありました。
そこで、買取時に使用する「買取申込書」に、継続的な酒類販売を前提とした取引ではないことを確認できる内容を追加し、修正した書類を税務署へ提出しました。
③ 同じ売却者から繰り返し買い取る場合には注意
リサイクルショップや買取店では、一般の方が自宅に保管していたウイスキーやブランデーなどを売却することがあります。
このような一時的な売却と、事業として継続的に酒類を仕入れて販売する行為とは区別して考える必要があります。
今回の税務署からの確認では、同じ者が何度も酒類を持ち込む場合には、単なる不要品の売却なのか、それとも継続的な酒類販売に当たる可能性がないかを確認するよう求められました。
そのため、本件では買取申込書を利用して売却者との取引内容を確認できるようにしました。
なお、どの程度の回数・頻度であれば酒類販売業免許が必要になるかを一律に判断できるものではありません。実際の取引内容や継続性などを踏まえて個別に確認する必要があります。
④ これまでの全国展開する買取FC案件とは異なる確認があった事例
これまで当事務所で取り扱った全国展開の買取FCでは、本件のように「同じ売却者から継続して買い取らないこと」について、買取申込書への記載を求められたことはありませんでした。
一方、今回の柏市の申請では、税務署から具体的に確認を求められたため、その指示に対応して書類を整えました。
酒類販売業免許の要件自体が税務署ごとに異なるということではありませんが、申請内容や事業形態、提出資料などによって追加で確認される事項が異なることがあります。
そのため、過去の別案件で求められなかった資料であっても、今回の申請で税務署から求められた場合には、その趣旨を確認しながら対応することが重要です。
4. 申請から免許取得までの流れ
今回の申請は、2025年2月18日にご依頼をいただき、必要書類を準備したうえで3月10日に申請しました。
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2025年2月18日 | 洋酒卸売業免許申請のご依頼 |
| 2025年3月10日 | 税務署へ申請 |
| 2025年3月19日 | 税務署から買取申込書について追加確認 |
| 2025年3月 | 買取申込書を修正して追加提出 |
| 2025年4月4日 | 税務署から会社の事業内容について確認 |
| 2025年4月30日 | 洋酒卸売業免許を取得 |
申請から免許取得までは約1か月半でした。
審査の途中では買取方法や会社の事業内容について確認がありましたが、それぞれ必要な説明・資料提出を行い、2025年4月30日に洋酒卸売業免許が交付されました。
5. よくある質問
Q. 買取店がお酒を買い取るだけでも酒類販売業免許が必要ですか?
酒類を買い取る行為そのものだけでなく、その後どのように販売するかを確認する必要があります。
買い取った酒類を継続的に販売する場合には、その販売先や販売方法に応じた酒類販売業免許が必要となります。
今回の事例では、買い取った洋酒を特定の事業者へ卸売するため、洋酒卸売業免許を取得しました。
Q. 買い取ったお酒を酒販店へ販売する場合、一般酒類小売業免許でよいですか?
酒販店など、酒類を再販売する事業者へ卸売する場合には、小売免許ではなく卸売に対応した免許を検討する必要があります。
今回の事例では、ウイスキーやブランデーなどの洋酒を卸売するため、洋酒卸売業免許を取得しました。
一方、一般消費者や飲食店へ販売する場合には、一般酒類小売業免許など別の免許が必要になります。
Q. 一般消費者へ販売しない場合でも一般酒類小売業免許は必要ですか?
今回のように、一般消費者への店頭販売や通信販売を行わず、洋酒を卸売先にのみ販売する事業であれば、事業内容に応じて卸売免許を検討します。
ただし、将来、一般消費者や飲食店への販売を開始する場合には、一般酒類小売業免許などの追加が必要になることがあります。
Q. 同じ人から何度もお酒を買い取ってはいけないのでしょうか?
同じ人から複数回買い取ったという事実だけで、直ちに問題となるとは限りません。
一方、同じ者が継続的・反復的に酒類を売却している場合には、その売却行為の実態によって、売却者側に酒類販売業免許が必要となる可能性があります。
今回の申請では、税務署からこの点について確認があり、買取申込書で取引内容を確認できるよう対応しました。
Q. 買取申込書には必ず同じ内容の誓約を入れる必要がありますか?
すべての買取事業者に一律に同じ文言が必要というわけではありません。
今回の事例では、審査の過程で税務署から指示があり、買取申込書に確認事項を追加して提出しました。
必要となる資料や記載内容は、事業内容や申請時の確認事項によって異なる場合があります。
6. まとめ
今回の事例では、千葉県柏市でリサイクル事業などを行う会社様が、買い取ったウイスキーやブランデーなどの洋酒を特定の取引先へ販売するため、洋酒卸売業免許を取得しました。
一般消費者への販売は行わず、事業者への卸売に限定した事業モデルであったため、予定している販売先や取扱酒類を整理して申請を行いました。
また、審査の過程では、酒類を買い取る相手方が継続的な酒類販売者とならないよう、買取申込書の内容について税務署から追加確認がありました。
買取業で酒類を取り扱う場合には、「買い取ったお酒を誰に販売するのか」だけでなく、「どのような相手から、どのように買い取るのか」についても整理しておくことが重要です。










