【事例】山口県の新設法人が自己商標卸売業・一般小売業・通信販売の3免許を同時取得|クラフトジン・IPA・ローアルコール飲料の企画会社

ご依頼の背景

2022年1月11日、山口県の株式会社様より酒類販売業免許申請のご依頼に関するお問合せをいただきました。同月17日に正式にご依頼を頂戴し、5月9日に申請、9月9日に「自己商標酒類卸売業免許」「一般酒類小売業免許」「通信販売酒類小売業免許」の3つの免許を同時取得しました。

ご依頼者様は2021年に設立されたばかりの会社で、酒類をはじめとする飲料の企画を主たる事業とされています。OEMにより、クラフトビール、クラフトジン、ローアルコール飲料の製造を進めており、完成した商品を全国の酒店へ卸売販売するとともに、自社WEBサイトを通じて個人のお客様への通信販売を行うことを計画されていました。

申請時点で、複数の製造会社との業務提携を締結済みで、WEBサイトについても商品が出来次第すぐに運用可能な状態に整備されており、事業開始に向けた体制が着実に構築されていました。

商品企画の独自性 ― 飲食店経営の経験から生まれた発想

ご依頼者様の代表者様は、2006年から飲食店を経営されてきたご経験をお持ちです。長年の経営を通じて、お客様が酒類を提供する飲食店に対して、単に飲食を楽しむだけでなく「会話を楽しみ、人間関係を深める場」としての機能も求めていることを強く実感されたといいます。

そのご経験から生まれたのが、「飲食店様にとってお客様との話の種になる飲料を提供する」という商品コンセプトです。具体的には、以下の3カテゴリーの商品開発を進めておられます。

クラフトジン ― 春夏秋冬の限定フレーバー

地域性や季節ごとのフレーバーによって個性を出しやすいクラフトジンの特性を活かし、春夏秋冬それぞれのフレーバーを限定販売する企画を予定されています。お客様には、その味わいとフレーバーに関する感想や会話を楽しみに、何度も飲食店へ足を運んでいただけるような商品を提案するという狙いです。

クラフトビール ― IPA特化

クラフトビールについては、IPA(インディア・ペールエール)に特化した商品企画を進めておられます。ビールにこだわる方向けに、ホップの香りを存分に味わっていただける商品をコンセプトとしています。

ローアルコール飲料 ― 商品単体でも割り材としても使える汎用性

商品単体でも飲料として提供でき、かつ割り材としても使用できる汎用性の高いローアルコール飲料についても、現在製作を進めているところです。

申請手続きと必要免許の整理

ご依頼者様の事業計画は、自社で企画・OEM委託した商品(自己商標商品)を、全国の酒店に卸売しつつ、WEBサイトで個人にも販売するというものでした。この事業形態を実現するためには、以下の3つの免許が必要となります。

  • 自己商標酒類卸売業免許 ― 自社で商標登録した酒類を、他の酒類販売業者に卸売するための免許
  • 一般酒類小売業免許 ― 店頭などで一般消費者に酒類を小売販売するための免許(2都道府県以上にまたがらない通信販売も含む)
  • 通信販売酒類小売業免許 ― インターネット等を利用して2都道府県以上の広範囲な地域の一般消費者に酒類を小売販売するための免許

当事務所では、3免許を同時申請することで、ご依頼者様の事務的・経済的負担を軽減し、商品完成と同時に全販路で販売を開始できる体制づくりをサポートいたしました。

審査における追加資料の対応

本件の審査過程では、所轄税務署から追加資料の提出依頼がありました。具体的には、以下の2点が論点となりました。

1. 別のOEM委託先との契約書の提出依頼

申請時には、すでに業務提携が完了していた1社のOEM契約書を添付していました。しかし審査の過程で、税務署から「他のOEM委託先との契約書」の提出も求められました。これは、自己商標酒類卸売業免許の審査において、申請時点での仕入体制が実体として確立されているかを確認するための重要なプロセスです。

当事務所では、ご依頼者様と連携して、複数のOEM委託先との契約書を順次取りまとめ、追加資料として速やかに提出しました。

2. 自己商標を開発した経緯の確認

自己商標酒類卸売業免許では、「自社で開発した商標である」という実態が審査の重要なポイントとなります。本件でも、税務署から自己商標を開発した経緯について確認がありました。

具体的には、なぜこのような商品を企画するに至ったのか、商標の開発プロセス、商品コンセプトの背景などについて、書面での説明を求められました。ご依頼者様には、飲食店経営のご経験から生まれた商品企画の発想や、季節限定フレーバー・IPA特化といった独自性のある商品構想を整理してご回答いただき、当事務所で書面化のうえ提出しました。

本件のポイント ― 自己商標卸売業免許の審査特性

自己商標酒類卸売業免許は、ビール卸売業免許や全酒類卸売業免許のような数量制限による抽選はありませんが、その代わりに「真に自社で開発した商標であるか」「実体のある事業計画か」という点について、丁寧な説明が求められる免許です。

特に新設法人や事業開始前の段階では、以下の点を申請段階から整理しておくことが重要となります。

  • 自己商標の開発経緯および商品コンセプトを書面で明確に説明できること
  • OEM委託先との契約書類が複数社分整っていること(または、特定の委託先に集中する合理的理由があること)
  • 商品完成後の販売計画(卸先候補、WEB販売の運用体制)が具体的であること

本件のご依頼者様は、これらの点について事業構想の段階から明確な計画をお持ちであったため、追加資料の依頼にも迅速に対応することができ、申請から約4ヶ月で3免許同時取得という結果につながりました。

当事務所からのコメント

新設法人による自己商標卸売業免許の取得、しかも一般酒類小売業免許・通信販売酒類小売業免許との3免許同時申請は、必要書類が多岐にわたり、各免許ごとに審査ポイントも異なる難易度の高い案件です。

本件では、ご依頼者様が飲食店経営のご経験を踏まえた明確な商品コンセプトをお持ちであったこと、複数の製造会社との業務提携を計画的に進められていたこと、そしてWEBサイトを含む販売体制を整備されていたことが、スムーズな免許取得につながった大きな要因でした。

当事務所では、これまで2,000件を超える酒類販売業免許申請のサポート実績がございます。新規事業として酒類販売を始められる事業者様、特に自己商標商品の卸売・小売・通信販売を組み合わせた事業展開をご検討中の事業者様は、ぜひ一度当事務所までお問合せください。

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