概要
東京で輸出酒類卸売業免許を取得済みの事業者が、奈良県の倉庫において輸出用酒類(清酒・果実酒・ウイスキー・リキュール)を酒税未納税のまま保管するため、税務署から酒類蔵置場設置許可通知書を取得した事例です。2022年3月4日に申請し、同年5月17日に許可通知書が交付されました。審査期間中には税務署担当官による現地確認が行われ、追加書類として業務委託契約書・在庫一覧表・物品荷受書・物品出荷書等を提出しました。許可通知書に付された条件は「蔵置する酒類は輸出する清酒、果実酒、ウイスキー及びリキュールで、かつその蔵置場で詰替えを行わないものに限る」というものです。
依頼者の状況
依頼者は2021年に東京において輸出酒類卸売業免許を取得し、日本酒・洋酒の海外輸出事業を展開している事業者です。酒類を輸出する際に酒税の免税制度(未納税移出)を適用するには、輸出用酒類を未納税の状態で保管できる場所として税務署から認定を受ける必要があります。奈良県内の倉庫を輸出酒類の保管拠点として使用するにあたり、当該倉庫について酒類蔵置場設置許可通知書の取得申請をご依頼いただきました。
ポイント
① 酒類蔵置場設置許可通知書とは
酒類蔵置場設置許可通知書は、輸出用酒類を酒税の未納税のまま保管する場所として認められた際に、所轄税務署長から交付される通知書です。免許証とは異なり「許可通知書」という形式で交付されます。この通知書を取得した蔵置場で輸出酒類を管理することで、酒税の免税制度を適用した輸出が可能になります。
②「設置報告書」と「許可通知書」の違い
倉庫・蔵置場に関連する手続きとして、酒類蔵置所設置報告書と酒類蔵置場設置許可通知書の2種類があり混同されやすいですが、性質が異なります。設置報告書は通常の酒類保管倉庫について届け出るもので、届出受理で完結します。これに対して許可通知書は、輸出用酒類を未納税のまま保管する場所として税務署の審査・現地確認を経て交付されるものです。本件では後者の許可通知書の取得申請を行いました。
③ 倉庫内の区画整備が要件
輸出される酒類と他の商品が混ざらないよう、倉庫内を明確に区画する必要があります。物理的な仕切りや棚、立入制限など、税務署の現地確認で確認される項目です。本件では申請前から倉庫内の輸出酒類専用区画を整備し、現地確認に対応しました。
④ 追加書類の提出
通常の申請書類に加え、本件では輸出業務の実態を示す追加書類として業務委託契約書・在庫一覧表・物品荷受書・物品出荷書等の提出が求められました。どのルートで輸出するか、倉庫の管理委託関係はどうなっているかなど、輸出の実態を書面で示すことが審査上の重要なポイントとなります。追加書類の内容は案件の状況によって異なるため、事前の税務署への相談が有効です。
⑤ 許可通知書に付された条件
交付された許可通知書には「蔵置する酒類は輸出する清酒、果実酒、ウイスキー及びリキュールで、かつその蔵置場で詰替えを行わないものに限る」という条件が付されました。輸出予定の清酒・果実酒・ウイスキー・リキュール以外の酒類を混在させることはできず、また蔵置場内での詰め替え作業も禁止されています。
よくあるご質問
酒類蔵置場設置許可通知書と酒類蔵置所設置報告書はどう違いますか?
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設置報告書は通常の酒類保管倉庫について届け出るもので、届出受理で完結します。許可通知書は輸出用酒類を未納税のまま保管する場所として認定を受けるための申請であり、税務署による書類審査・現地確認を経て交付されます。輸出免税の適用を受けるには許可通知書が必要です。
輸出酒類卸売業免許があれば酒税なしで輸出できますか?
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輸出酒類卸売業免許だけでは不十分で、酒類蔵置場設置許可通知書を取得した蔵置場で輸出用酒類を管理する必要があります。両方が揃うことで、未納税のまま輸出する体制が整います。
許可通知書を取得した後、蔵置できる酒類の品目は変更できますか?
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許可通知書には蔵置できる酒類の品目が条件として記載されます。品目を変更・追加する場合は改めて税務署への申請・手続きが必要になります。










