【相談事例】楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングでお酒を販売したい

相談者:個人事業主(食品関連)
ワインのセレクトショップを始めようと考えています。楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングなど複数のECモールに出店して全国のお客様にお届けしたいのですが、必要な免許は何でしょうか?将来的には輸入ワインも自社で直接仕入れたいと思っています。
回答:行政書士 岩元洋一
楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングなどのECモールでお酒を販売する場合は、通信販売酒類小売業免許が必要です。これはインターネット等を通じて2以上の都道府県の消費者を対象にお酒を販売するための免許です。ECモールは全国のお客様が利用するため、一般酒類小売業免許(店頭販売用)では対応できません。将来的に自社で輸入する場合でも、消費者への通信販売のみであれば通信販売酒類小売業免許だけで対応できます。以下で詳しく説明します。

ECモールでのお酒販売に必要な免許

楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングなどのECモールは、全国(2以上の都道府県)の消費者が利用するプラットフォームです。このようなECモールに出店してお酒を販売する場合は、通信販売酒類小売業免許が必要です。

一般酒類小売業免許は店頭販売や同一都道府県内でのインターネット販売を対象とした免許であり、全国のお客様を対象としたECモール出店には対応できません。実店舗での販売とECモールへの出店を両方予定している場合は、一般酒類小売業免許と通信販売酒類小売業免許の2つを同時に取得します。

免許は「販売場(事務所)」ごとに取得するものであり、どのECモールで販売するかは問いません。楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・自社ECサイトなど複数のチャネルで販売する場合でも、通信販売酒類小売業免許1つで対応できます。

楽天市場・Amazonそれぞれの出店手続きの注意点

免許は共通ですが、各プラットフォームへの出店申請はそれぞれ個別に行う必要があります。また各プラットフォームで酒類を出品するためには、免許通知書の提出が求められます。

楽天市場の場合

楽天市場の場合、出店審査の際に酒類販売業免許通知書の写しを提出します。また、税務署に通信販売酒類小売業免許を申請する際の添付書類として、楽天市場のショップの予定画面が必要になります。そのため、楽天市場への出店を予定している場合は、税務署への申請前にショップの予定画面を作成しておく必要があります。「先に免許を取ってから楽天に出店申請」という順序ではなく、楽天の仮登録・ショップ画面作成を先に進めておくことが重要です。詳しくは楽天市場でお酒を販売するための免許をご覧ください。

Amazonの場合

Amazonの場合、セラーセントラルから酒類カテゴリの出品申請を行い、免許通知書等の書類を提出します。またFBA(フルフィルメント by Amazon)を利用してAmazonの倉庫に商品を保管する場合は、免許取得後にその倉庫の所在地を管轄する税務署へ蔵置所設置報告が必要です。Amazonの倉庫は全国複数箇所にあり、在庫の配置状況によって届出先の税務署が複数になる場合もあります。詳しくはAmazonでお酒を出品するための免許をご覧ください。

販売できるお酒の種類と制限

通信販売酒類小売業免許で販売できるお酒の範囲には制限があります。

輸入酒類(ワイン・ウイスキー・輸入ビール等)は制限なく販売できます。一方、国産酒類については、カタログ等の発行年月日が属する会計年度の前会計年度における品目ごとの課税移出数量がすべて3,000キロリットル未満の製造者が製造した酒類に限られます。

キリン・アサヒ・サントリーなど大手メーカーの国産酒類は販売できません。地酒・クラフトビール・クラフトジンなど小規模製造者の国産酒類は販売可能ですが、その場合は製造者から「通信販売の対象となる酒類である旨の証明書」を取得して申請書類に添付する必要があります。

今回のご相談のように輸入ワインを中心に取り扱う場合は、この制限に引っかかるものはほとんどありませんので、商品ラインナップの面では問題ないでしょう。詳しくは通信販売酒類小売業免許とは?取得要件・申請方法・注意点をご覧ください。

輸入ワインを自社で直接仕入れたい場合

自社で直接海外から輸入したワインを、ECモールで消費者に通信販売するだけであれば、輸入酒類卸売業免許は不要です。通信販売酒類小売業免許のみで対応できます。

輸入酒類卸売業免許が必要になるのは、輸入したお酒を酒販店などの業者(酒類販売業者)に卸売する場合です。消費者への通信販売のみであれば、自社輸入であっても通信販売酒類小売業免許1つで完結します。

将来的に業者への卸売も行いたい場合は、通信販売酒類小売業免許と輸入酒類卸売業免許を同時に取得することができます。その場合の登録免許税は、卸売を含むため90,000円となります(通販のみの場合は30,000円)。

年齢確認・表示義務について

酒類を通信販売する場合は、ウェブサイトに未成年者の飲酒禁止に関する表示と、購入時の年齢確認が義務付けられています。

楽天市場・Amazonはプラットフォーム側で年齢確認の仕組みが用意されていますが、自社ECサイトの場合は自社で実装する必要があります。各プラットフォームのガイドラインを必ず確認してください。詳しくは通信販売でお酒を販売する際の年齢確認方法と表示義務をご覧ください。

まとめ

楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングなどのECモールでお酒を販売するには、通信販売酒類小売業免許が必要です。免許は1つで複数のモールに対応できますが、各モールへの出店申請は個別に行います。

楽天市場への出店を予定している場合は、免許申請前にショップの予定画面を作成しておく必要がある点に注意してください。

将来的に自社輸入を予定している場合でも、販売方法が消費者への通信販売のみであれば輸入酒類卸売業免許は不要です。業者への卸売も行いたい場合は通信販売酒類小売業免許と輸入酒類卸売業免許の同時取得をお勧めします。

免許の種類や取得の順序については、事業計画に合わせて判断する必要がありますので、行政書士岩元事務所までお気軽にご相談ください。

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    平成24年9月1日

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