1. 自動販売機でお酒を販売するために必要な免許
酒類を自動販売機で販売するには、まず一般酒類小売業免許を取得し、その販売場(店舗)に付随する形で自動販売機を設置することになります。
つまり、自動販売機の設置だけを目的に免許を取ることはできず、店舗を構えて小売業免許を取得したうえで、その店舗の販売手段の一つとして自販機を設置するという流れになります。
2. 設置場所の条件:店員から見える場所であること
酒類の自動販売機を設置できる場所には条件があります。店舗の従業員から視認できる場所への設置が求められます。
これは年齢確認など販売管理の観点から設けられている条件です。店舗から離れた屋外や、従業員の目が届かない場所への単独設置は認められません。
3. 国税庁の方針:酒類自販機は撤廃の方向
酒類の自動販売機については、国税庁と全国小売酒販組合中央会が連携して撤廃を推進しています。
平成7年に全国小売酒販組合中央会が屋外の従来型自販機の撤廃を決議して以降、設置台数は大幅に減少しました。令和6年4月1日時点の全国の設置台数は9,313台で、撤廃決議直後(平成8年)の台数と比べると17万台以上減少しています。国税庁は現在も撤廃に向けた取り組みを継続する方針です。
現在設置が認められているのは主に改良型機(運転免許証等による年齢確認機能付き・深夜〔午後11時〜午前5時〕の販売停止機能付き)に限られており、年齢確認機能のない従来型機の新規設置は指導の対象となります。
4. 酒類自販機の設置を検討する際のポイント
- まず一般酒類小売業免許の取得が必要:自販機単独での免許申請は不可。店舗ベースの免許が前提
- 設置場所は従業員から視認できる範囲内:店舗外・無人場所への単独設置は不可
- 設置する機器は改良型機(年齢確認機能付き)が必要:従来型機の新規設置は認められない
- 国の撤廃方針を踏まえた事業計画を:長期的には自販機そのものの撤廃が推進されている状況
5. よくある質問
Q. すでに従来型の自販機を持っています。今すぐ撤廃しないと違反になりますか?
現時点で既存の従来型機を直ちに撤廃しなければならないという法的な強制はありませんが、国税庁と業界団体が撤廃を強く推進している状況です。新規設置は改良型機に限られるため、将来的な更新・切り替えを見据えた検討をおすすめします。
Q. 改良型機とはどのような機能を持つものですか?
運転免許証等の身分証明書で年齢確認ができる機能や、深夜(午後11時〜午前5時)の販売を自動的に停止する機能などを備えた自動販売機です。年齢確認機能のない従来型機は新規設置が指導の対象となります。
Q. コンビニやスーパーの店内に自販機を置く場合も一般酒類小売業免許が必要ですか?
必要です。店舗自体がすでに一般酒類小売業免許を取得していれば、その店舗内に自販機を設置する形での運用が可能ですが、免許を持たない場所への単独設置はできません。
Q. 自販機の設置場所について、具体的にどの程度「視認できる」必要がありますか?
明確な距離基準は公表されていませんが、店舗の従業員が通常の業務の中で自販機利用者の様子を確認でき、年齢確認等の対応が実質的に可能な範囲であることが求められます。個別の設置計画については事前にご相談ください。
まとめ
酒類の自動販売機での販売は、一般酒類小売業免許を取得した店舗に付随する形でのみ認められます。設置場所は従業員から視認できる範囲に限られ、設置する機器も年齢確認機能を備えた改良型機に限られます。国としては自販機そのものの撤廃を長期的に推進している点も踏まえて、事業計画を検討することをおすすめします。
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