「ワインの情報サイトやレビューサイトで、そのままワインを販売することはできるのでしょうか?」
インターネットを利用して一般消費者へ酒類を販売する場合には、通信販売酒類小売業免許が必要です。また、飲食店などへ酒類を販売する場合には、販売方法に応じて一般酒類小売業免許も必要になります。
今回ご紹介するのは、東京都新宿区でアクセス解析などのオンラインビジネス支援を行っている会社様が、自社で運営するワインのレビューサイトを活用してワイン販売を始めるため、通信販売酒類小売業免許と一般酒類小売業免許を同時に取得した事例です。
もともと情報提供を目的として運営していたレビューサイトに販売機能を加えることで、既存のコンテンツや集客力を活かして酒類販売事業へ参入するという、ウェブ事業を行う会社様ならではの事例でした。
また、通信販売酒類小売業免許の審査では、実際に使用する通販サイトの内容も確認されます。本件でも、審査中に税務署からサイト上の表示について修正を求められ、必要な対応を行ったうえで免許が交付されました。
この事例をもとに、ワインをインターネットで販売するために必要な免許や、既存のウェブサイトをECサイトとして活用する場合の注意点についてご紹介します。
1. 事例の概要
今回ご依頼いただいたのは、東京都新宿区でアクセス解析を中心としたオンラインビジネス支援を行っている会社様です。
自社で運営していたワインのレビューサイトを活用して、新たにワインのインターネット販売を始めるとともに、飲食店向けの販売にも対応するため、通信販売酒類小売業免許と一般酒類小売業免許を同時に申請しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者所在地 | 東京都新宿区 |
| 依頼者の業種 | オンラインビジネス支援・アクセス解析サービス |
| 取得した免許 | 通信販売酒類小売業免許・一般酒類小売業免許 |
| 主な取扱酒類 | ワイン |
| 主な販売方法 | 自社レビューサイトでの通信販売・飲食店向け販売 |
| 事業の特徴 | 既存のワインレビューサイトを販売チャネルとして活用 |
| お問い合わせ日 | 2014年7月25日 |
| 申請日 | 2014年11月25日 |
| 免許交付日 | 2015年1月30日 |
| 審査上のポイント | 通販サイトの表示内容について税務署から修正指摘あり |
2. 依頼の背景
アクセス解析を中心としたオンラインビジネス支援サービスを本業とする新宿区の会社様からご依頼をいただきました。
自社で運営するワインのレビューサイトにおいて、ワインの販売も行いたいというご要望でした。レビューサイトというコンテンツ資産を活かし、そのまま販売チャネルとして機能させるビジネスモデルです。ウェブマーケティングのノウハウを持つ会社様ならではの、自然な事業展開といえます。
3. 取得した免許の種類と理由
① 通信販売酒類小売業免許 レビューサイト上でワインを販売するために必要な免許です。インターネットを通じて不特定多数の消費者に酒類を販売する場合は、通信販売酒類小売業免許が必要になります。本業のウェブ事業との親和性も高く、メインの販売チャネルとして位置づけられました。
② 一般酒類小売業免許 飲食店がグラスでお酒を提供するために仕入れる、いわゆる業務用販売を行うための免許です。飲食店は酒類を転売するわけではなく、自店での提供のために購入するため、販売する側からみると「小売」に分類されます。通販と並行して飲食店向けの販売も対応できるよう、同時に取得されました。
4. 審査中に通販サイトの修正を求められたポイント
今回の申請では、2014年11月25日に税務署へ申請し、2015年1月30日に免許が交付されました。
審査期間中には、税務署から実際にワインを販売する予定のウェブサイトについて、表示内容を修正するよう指摘がありました。
通信販売酒類小売業免許では、申請者や販売場の要件だけでなく、実際に酒類を販売するウェブサイトの内容についても確認が行われます。
特に、酒類の通信販売を行う場合には、特定商取引法に基づく表示のほか、20歳未満の者の飲酒防止に関する表示など、必要な事項を適切に掲載しておく必要があります。
今回も、税務署から指摘された箇所を修正したうえで審査を進め、申請から約2か月後に通信販売酒類小売業免許と一般酒類小売業免許が交付されました。
既存のウェブサイトを利用して酒類販売を始める場合には、免許申請の準備と並行して、サイト上の表示内容についても事前に確認しておくことが重要です。
5. この事例から学べるポイント
①コンテンツサイトをそのまま販売チャネルに転換できる レビューサイトやブログなど、すでに集客できているウェブコンテンツがある場合、通信販売酒類小売業免許を取得することで販売機能を追加できます。新たに集客の仕組みを構築する必要がなく、スムーズに販売事業へ参入できます。
②通販サイトは申請前に整備しておく 審査では、実際に販売に使用するウェブサイトの内容が確認されます。特定商取引法の表記、未成年者飲酒防止の表示、返品・キャンセルポリシーなどを事前に整えておくことが重要です。
③複数免許の同時取得で販売チャネルを広げられる 通販免許と小売免許を同時に取得することで、一般消費者向けのEC販売と飲食店向けの業務用販売を並行して行える体制を、最初から整えることができます。
6. よくある質問
Q. すでに運営しているブログやレビューサイトを、そのまま販売サイトとして使えますか?
使えます。ただし、通信販売酒類小売業免許の審査では、特定商取引法に基づく表記や未成年者飲酒防止の表示など、酒類の通信販売に必要な記載がサイト上に揃っている必要があります。既存サイトに販売機能を追加する場合も、これらの表記を整備してから申請することをおすすめします。
Q. 飲食店向けの業務用販売だけを行う場合、通信販売酒類小売業免許は不要ですか?
不要です。飲食店への業務用販売のみを行う場合は一般酒類小売業免許のみで対応できます。本事例のように、一般消費者向けのオンライン販売もあわせて行う場合に、通信販売酒類小売業免許が別途必要になります。
Q. 審査中にウェブサイトの修正を求められた場合、免許交付は遅れますか?
修正内容や対応スピードによりますが、本事例のように大きな問題でなければ、通常の審査期間内で免許交付に至るケースが多いです。事前にサイトの記載事項を整えておくことで、こうした指摘自体を減らすことができます。
Q. ワイン以外の酒類でも、同じような形で通信販売免許を取得できますか?
できます。取り扱う酒類の種類にかかわらず、通信販売酒類小売業免許の基本的な要件は共通です。ただし、国産酒類については年間製造量が3,000キロリットル未満の製造者のものに限られるため、取り扱いたい銘柄が対象になるか事前に確認しておくとよいでしょう。
まとめ
本事例は、既存のウェブコンテンツ(ワインレビューサイト)を活かして酒類販売事業に参入した事例です。通信販売酒類小売業免許と一般酒類小売業免許を同時に取得することで、一般消費者向けのEC販売と飲食店向けの業務用販売の両方に対応できる体制を整えています。
行政書士岩元事務所では、通信販売酒類小売業免許をはじめ、あらゆる酒類販売業免許の申請代行を行っています。「ネットでワインを販売したい」「レビューサイトで商品販売も始めたい」といったご相談から承っております。初回相談は無料です。お気軽にお問い合わせください。










