法人で酒類販売業免許を申請する際の定款の事業目的|必要な文言と変更のタイミングを行政書士が解説
法人(株式会社・合同会社等)で酒類販売業免許を申請する場合、定款の事業目的に酒類販売に関する記載があることが必要です。事前に確認しておかないと、申請途中で定款変更が必要になり、免許取得までの期間が延びることがあります。
なぜ事業目的の確認が必要なのか
酒類販売業免許の申請書類には、法人の登記事項証明書(謄本)の提出が必要です。税務署はこの謄本で法人の事業目的を確認し、酒類販売事業を行う法人としての適格性を審査します。事業目的に酒類販売に関する記載がない場合、「この会社の事業として酒類販売は予定されていないのではないか」と判断され、定款の変更を求められます。
事業目的に必要な文言
事業目的への記載として、税務署が求める文言の例は以下のとおりです。
- 酒類の販売
- 酒類の販売及び輸出入
- 酒類の卸売業
- 食品・酒類の販売
「酒類販売」という文言が含まれていれば基本的に問題ありません。担当者によっては「食品の販売」「飲料の販売」など、酒類を包含する幅広い表現でも認められる場合がありますが、審査担当者による判断が分かれることがあるため、「酒類」という文言を明示的に記載しておくことをお勧めします。
定款変更のタイミング
定款の事業目的変更は、原則として免許申請前に完了させておくことをお勧めします。
申請時点で事業目的に酒類販売の記載がない場合、税務署から変更を求められます。この場合、変更後の定款と登記事項証明書を税務署に提出し確認が取れた後に免許が交付される流れとなります。担当者によっては「免許交付後に変更していただければよい」と案内されることもありますが、それは例外的な対応です。通常は定款変更・登記完了後の免許交付となるため、変更の手続きにかかる時間が審査期間に上乗せされます。
申請前に事業目的を確認・変更しておくことで、こうした余分な時間を省くことができます。
定款変更の手続きと費用
株式会社の場合、事業目的の変更には株主総会の特別決議が必要です。決議後に法務局へ変更登記を申請します。登記完了まで通常1〜2週間程度かかります。
登記に必要な費用は以下のとおりです。
- 登録免許税:3万円(事業目的変更登記)
- 司法書士報酬:依頼する場合は別途必要
合同会社の場合は社員総会での決定(または定款の定めに従った手続き)が必要で、登録免許税は1万円です。
個人事業主の場合は不要
定款の事業目的確認が必要なのは法人での申請に限られます。個人事業主として申請する場合は定款がないため、この手続きは不要です。
ただし個人事業主の場合も、税務署への開業届に記載した事業内容が酒類販売と乖離している場合は、確認が入ることがあります。
まとめ
- 法人で酒類販売業免許を申請する場合、定款の事業目的に「酒類販売」等の文言が必要
- 申請前に事業目的を確認し、記載がない場合は定款変更・登記を済ませておくと手続きがスムーズ
- 申請後に変更を求められた場合、登記完了まで免許交付が遅れる
- 株式会社の定款変更登記の登録免許税は3万円。別途司法書士報酬が必要な場合がある
- 個人事業主には定款がないため不要
酒類販売業免許の申請準備でご不明な点がある方は、お気軽にお問い合わせください。










