買取業・リサイクルショップがお酒を販売するために必要な免許|行政書士が解説
買取業やリサイクルショップでは、お酒を買い取る機会が少なくありません。ウイスキーや日本酒などの高額酒類を買い取り、店頭やネットで販売したいというニーズも年々増えています。しかし、買い取ったお酒をそのまま販売するには酒類販売業免許が必要です。この記事では、買取業・リサイクルショップが酒類販売免許を取得するために知っておくべきことを解説します。
買い取ったお酒を販売するには免許が必要
「お客さんから買い取ったものを売るだけなのに免許が必要なのか」と疑問に思う方もいますが、酒類の販売には仕入れ方法を問わず酒類販売業免許が必要です。製造業者から仕入れた場合も、個人から買い取った場合も、免許なしで継続的に販売すれば酒税法違反となります。
罰則は1年以下の懲役または50万円以下の罰金です。「知らなかった」では済まされないため、販売を始める前に必ず免許を取得してください。
必要な免許の種類
販売方法によって必要な免許が異なります。
| 販売方法 | 必要な免許 |
|---|---|
| 店頭で販売する | 一般酒類小売業免許 |
| フリマアプリ・ネットオークション・自社ECサイトで全国に販売 | 通信販売酒類小売業免許 |
| 店頭販売とネット販売を両方行う | 一般酒類小売業免許+通信販売酒類小売業免許 |
| 酒類販売業者(酒屋・問屋等)に卸す | 卸売免許(別途) |
買取業・リサイクルショップの多くは、店頭販売とネット販売の両方を行うため、一般酒類小売業免許と通信販売酒類小売業免許を同時に申請するケースが大半です。当事務所でも同時申請を多数サポートしており、追加料金なしで対応しています。
買取業・リサイクルショップに特有の論点
古物商許可との関係
古物商許可の取扱品目は13区分に分類されていますが、食品類はその対象外です。そのため、お酒そのものの買取に古物商許可は不要です。
ただし、ワイングラスやデキャンタ、酒器セットなど酒類に関連する器具・道具類を買い取って販売する場合は、品目に応じて古物商許可が必要になる場合があります(道具類等に該当)。お酒と酒器を一緒に買い取るケースでは、酒器の部分については古物商許可の対象となる点に注意が必要です。
仕入れ先の記録・管理
酒類販売業免許を取得すると、仕入れ(受け入れ)と販売(払い出し)の記帳義務が生じます。製造業者や問屋から仕入れる通常の小売とは異なり、買取業では個人から酒類を仕入れる形になります。この場合も、誰から・いつ・何を・何本買い取ったかを帳簿に記録しておく必要があります。また、年間に何リットル販売したかの数量報告も義務付けられています。
仕入れ先が無免許販売者でないかの確認
税務署の審査では、「買い取る相手が酒類を業として販売していないか」を確認する体制を整えているかどうかが確認されることがあります。
同じ人物が何度も繰り返しお酒を持ち込んで売りに来る場合、その人物が無免許で酒類販売業を営んでいる可能性があります。酒類販売業を営む者(業者)から酒類を仕入れるためには、相手が酒類販売業免許を持っていることが前提です。免許を持たない業者から仕入れることは認められません。
そのため、常連的に売りに来る客については、個人としての処分なのか業として販売しているのかを確認する体制を整えておくことが求められます。申請時にこの点を税務署から指摘されることがあるため、買取時の確認フローをあらかじめ整備しておくことをお勧めします。
国産酒類の通信販売に関する注意点
通信販売酒類小売業免許で国産の酒類を販売できるのは、年間製造量が3,000キロリットル未満の酒造会社が製造したものに限られます。大手メーカーのウイスキーや日本酒は、通信販売酒類小売業免許だけでは通販できません。
買取業ではさまざまなメーカーの商品が入荷するため、大手メーカーの商品も含めてネットで販売したい場合は一般酒類小売業免許も必要になります。一般酒類小売業免許と通信販売酒類小売業免許を両方取得することで、店頭・ネット問わず幅広い商品を販売できます。
免許取得前の酒類の保管について
酒類販売業免許を取得した販売場以外の場所でお酒を保管する場合は、酒類蔵置所設置報告書の届け出が必要です。この届け出は酒類販売業免許を取得した後でなければ行うことができません。
買取業の場合、免許の申請中や取得前から酒類を買い取り始めるケースがありますが、この点については税務署によって判断が分かれます。「買い取るだけなら販売ではないので問題ない」とする税務署が多い一方、「免許取得前に販売目的でお酒を保管すること自体が認められない」と判断する税務署もあります。
免許の申請中に酒類の買取を始めることを検討している場合は、申請先の税務署に事前に確認しておくことをお勧めします。
申請の要件
一般酒類小売業免許・通信販売酒類小売業免許の主な要件は以下の通りです。
人的要件 税金の滞納がないこと、罰金刑・禁錮以上の刑に処せられた場合は3年を経過していること、など。
場所的要件 販売場(店舗または事務所)の使用権限があること。他の営業と明確に区分されていること。
経営基礎要件 酒類販売または調味食品等の販売経験が3年以上あること。経験がない場合は、他の事業の経営経験が3年以上あり、酒類販売管理研修を受講すること。直近の決算で債務超過でないこと、など。
買取業・リサイクルショップの場合、業歴がある程度あれば経営基礎要件はクリアできることが多いです。酒類販売の経験がなくても、古物販売など他の事業経験で対応できる場合があります。
よくある質問
Q. 買い取ったお酒を1本だけ知人に売った場合も免許が必要ですか? 単発の取引であれば「継続的な販売業」とはみなされない場合もありますが、反復・継続的に販売する意図があれば免許が必要です。判断はケースバイケースのため、継続的に販売するつもりであれば必ず免許を取得してください。
Q. すでに一般酒類小売業免許を持っていますが、ネット販売を追加するにはどうすればよいですか? 通信販売酒類小売業免許を追加するには、条件緩和の申出が必要です。審査期間は約2ヶ月です。詳しくは酒類販売業免許の条件緩和の解説ページをご覧ください。
Q. フリマアプリで販売する場合も通信販売酒類小売業免許が必要ですか? はい、必要です。フリマアプリやネットオークションでの販売も通信販売に該当します。詳しくはフリマアプリ・ネットオークションでお酒を販売するには免許が必要?をご覧ください。
Q. 複数の店舗で販売したい場合はどうすればよいですか? 店舗ごとに別々の酒類販売業免許が必要です。2店舗目以降は追加で申請します。
こんな方はご相談ください
- 買取業・リサイクルショップでお酒の販売を始めたい
- 店頭販売とネット販売の両方に対応したい
- すでに販売しているが免許が必要か確認したい
- 免許取得前の買取・保管について税務署への確認方法を知りたい
行政書士岩元事務所では、買取業・リサイクルショップからの酒類販売業免許申請を多数サポートしてきた実績があります。初回相談は無料です。お気軽にお問い合わせください。










