酒類販売業免許の条件緩和とは?販売できるお酒・販売方法を追加する手続きを行政書士が解説

酒類販売業免許を取得した後、「新しいお酒も販売したい」「通信販売も始めたい」と事業を拡大したいケースがあります。このような場合に必要な手続きが条件緩和申出です。新規免許申請より費用が抑えられ、すでにお持ちの免許を活かして販路を広げられる手続きです。この記事では、条件緩和の概要・必要なケース・審査期間・費用について解説します。

条件緩和申出のポイント
同一の販売場で免許の範囲を広げる手続き
・新規申請より行政書士報酬が安い(目安3万〜5万円)
・登録免許税も上限の差額のみ(同一販売場の上限は90,000円)
・標準処理期間は約2ヶ月

条件緩和申出とは

酒類販売業免許は、販売できるお酒の種類や販売方法が条件として定められています。これは、酒類の販売が原則禁止されており、免許は販売予定の範囲に絞って付与されるためです。

事業拡大に伴って販売範囲を広げたい場合は、条件緩和申出書を税務署に提出して承認を受ける必要があります。新規で免許を取得する手続きとは異なりますが、同様に税務署の審査が入ります。

条件緩和申出が必要なケース

以下のような場合に条件緩和申出が必要です。

販売するお酒の種類を追加したい場合

販売方法・免許区分を追加したい場合

  • 一般酒類小売業免許を持っているが、通信販売も始めたい
  • 小売免許しか持っていないが、酒販店への卸売も行いたい
  • 輸入卸売業免許を持っているが、自社で輸入したお酒を一般消費者にも販売(通販)したい

新規申請と条件緩和申出の違い

すでに同一の販売場で酒類販売業免許を取得している場合は、新規申請より条件緩和申出の方が有利です。

新規申請 条件緩和申出
行政書士報酬 110,000円 30,000〜50,000円
登録免許税 30,000円(小売)または90,000円(卸売) 差額のみ(0円〜の場合あり)
必要書類 多い 新規申請より少ない
標準処理期間 約2ヶ月 約2ヶ月(早まる場合あり)

すでに同一販売場で免許をお持ちの場合は、同じ事業内容を新規申請するよりも、条件緩和申出を選択する方が費用と手間を大幅に削減できます。

条件緩和申出で対応できないケース

条件緩和申出はあくまでも同一の販売場における免許の範囲拡大です。以下のようなケースは条件緩和では対応できず、別途新規申請が必要になります。

別の場所に新規店舗を出店する場合

酒類販売業免許は販売場ごとに取得するものです。新しい店舗・事務所での販売には、その場所での新規免許申請が必要です。条件緩和で対応できるのは、すでに免許を受けている販売場の範囲拡大に限られます。

例えば既存店舗で一般酒類小売業免許を持っていても、別の場所で新規開店する場合は、新店舗での新規申請が必要です。

審査期間の目安

条件緩和申出の標準処理期間は約2ヶ月です。ただし、緩和の内容によって実際の審査期間は異なる傾向があります。

比較的早く審査が完了するケース

すでに持っている免許の範囲内でお酒の種類を追加するような場合(例:通信販売免許でワインに日本酒を追加する)は、審査期間が短くなる傾向があります。

通常通り2ヶ月程度かかるケース

一般酒類小売業免許しか持っていない状態から通信販売や卸売を追加するなど、免許区分そのものを新たに追加する場合は、通常の審査期間がかかることが多いです。

いずれの場合も、販売開始時期が決まっている場合は早めに手続きを進めることをおすすめします。

条件緩和申出の費用

行政書士報酬

条件緩和の内容によって異なりますが、3万円〜5万円程度が目安です。新規申請(110,000円)と比べて大幅に安くなります。

登録免許税

条件緩和に際して登録免許税が発生するかどうかは、すでに支払済みの登録免許税の合計額によって決まります。

同一の販売場における登録免許税の上限は90,000円です。この上限に達していない場合は、差額分の登録免許税が発生します。上限に達している場合は登録免許税はかかりません。

免許の種類ごとの登録免許税の目安は以下のとおりです。

免許の種類 登録免許税
一般酒類小売業免許・通信販売酒類小売業免許・期限付酒類小売業免許 30,000円(小売の上限)
酒類卸売業免許(洋酒・輸入・輸出・自己商標・全酒類・ビール・店頭販売) 90,000円(卸売の上限)

具体的な計算例

例1:一般小売保有 → 通信販売を追加

  • すでに支払済み:30,000円(小売の上限)
  • 追加する免許:通信販売(小売の範囲)
  • 追加で発生する登録免許税:0円(小売の上限に達しているため)

例2:一般小売保有 → 洋酒卸売を追加

  • すでに支払済み:30,000円
  • 追加する免許:洋酒卸売(上限90,000円)
  • 追加で発生する登録免許税:60,000円(差額)

例3:洋酒卸売保有 → 通信販売・自己商標卸売を追加

  • すでに支払済み:90,000円(卸売の上限に達している)
  • 追加で発生する登録免許税:0円

すでに卸売免許を取得している場合は、以降どのような条件緩和を行っても登録免許税は発生しません。

申請の流れ

条件緩和申出の手続きは新規申請より簡素ですが、税務署の審査を受ける必要があります。

  1. ヒアリング・要件整理 追加したい範囲・現在の免許状況・事業計画を確認
  2. 必要書類の準備・作成 条件緩和申出書、事業計画書、取引承諾書(必要な場合)、ECサイトの予定画面(通信販売を追加する場合)などを整備
  3. 税務署への提出 所轄税務署に申出書類一式を提出
  4. 審査・補正対応 税務署からの照会に対応
  5. 承認通知書の交付 差額の登録免許税(発生する場合)を納付し、承認通知書を受領

⚠ 承認通知書が交付されるまでは、追加した範囲での販売を開始することはできません。 販売開始時期が決まっている場合は、2〜3ヶ月の余裕を持って手続きを始めることをおすすめします。

当事務所が対応する条件緩和の主なパターン

  • 小売 → 通信販売の追加 全国EC販売を始めるケース。登録免許税は0円
  • 小売 → 卸売の追加 酒販店への卸売を始めるケース。登録免許税の差額60,000円が発生
  • 輸入卸売 → 通信販売の追加 自社輸入のワインを消費者にECで販売するケース
  • 輸入卸売 → 洋酒卸売の追加 国内仕入れの洋酒も扱いたいケース
  • 洋酒卸売 → 自己商標卸売の追加 オリジナルブランドを展開したいケース
  • 輸出卸売 → 取扱品目の追加 清酒のみから他の酒類も輸出したいケース

こんな方はご相談ください

  • すでに免許を持っているが、販売できるお酒の種類を増やしたい
  • 小売免許しかないが、卸売や通信販売も始めたい
  • 条件緩和に登録免許税がかかるかどうか確認したい
  • 条件緩和と新規申請のどちらが必要か判断できない
  • 新店舗を出店するが、既存免許の範囲を新店舗にも広げたい(→新規申請が必要)

行政書士岩元事務所では、条件緩和申出の手続きを全国対応でサポートしています。初回相談は無料です。お気軽にご連絡ください。

よくあるご質問

Q. 条件緩和申出とは何ですか?

A. すでに取得している酒類販売業免許の販売範囲(販売できるお酒の種類・販売方法)を拡大するための手続きです。新規免許申請とは異なる手続きですが、税務署の審査を受けて承認通知書の交付を受ける必要があります。

Q. 新規申請と条件緩和申出のどちらが有利ですか?

A. すでに同一の販売場で酒類販売業免許を取得している場合は、条件緩和申出の方が有利です。行政書士報酬が新規申請より安く(目安3万〜5万円)、登録免許税も上限の差額のみで済むためです。新しい販売場を開設する場合は新規申請が必要です。

Q. 条件緩和申出の審査期間はどれくらいですか?

A. 標準処理期間は約2ヶ月です。すでに持っている免許の範囲内でお酒の種類を追加する場合(例:通信販売免許でワインに日本酒を追加)は審査期間が短くなる傾向があります。免許区分そのものを新たに追加する場合は通常の審査期間がかかることが多いです。

Q. 登録免許税はいくらかかりますか?

A. 同一の販売場における登録免許税の上限は90,000円です。すでに支払済みの登録免許税が上限に達していなければ差額分が発生します。例えば一般酒類小売業免許のみ保有(支払済み30,000円)で卸売を追加する場合は差額60,000円が必要です。すでに卸売免許を保有している場合は、以降の条件緩和では登録免許税はかかりません。

Q. 行政書士報酬はいくらですか?

A. 条件緩和の内容によって異なりますが、3万円〜5万円程度が目安です。新規申請の報酬110,000円と比べて大幅に安くなります。同時に複数の条件緩和を申し出る場合も、内容に応じてご相談に応じます。

Q. 別の場所に新店舗を出店する場合も条件緩和でできますか?

A. できません。条件緩和申出はあくまでも同一の販売場における免許の範囲拡大です。新しい店舗・事務所での販売には、その場所での新規免許申請が必要です。

Q. 承認通知書が届く前に追加した範囲で販売できますか?

A. できません。条件緩和の承認通知書が交付されるまでは、追加した範囲での販売を開始することはできません。販売開始時期が決まっている場合は早めに手続きを進めることをおすすめします。

Q. 一般酒類小売業免許に通信販売を追加する場合の費用はいくらですか?

A. 行政書士報酬は3万〜5万円程度、登録免許税は0円です。通信販売酒類小売業免許も小売免許の範囲なので、すでに支払済みの30,000円(小売の上限)に達しているため新たな登録免許税は発生しません。新規申請(140,000円)と比べて大幅に安く済みます。

Q. 条件緩和申出に必要な書類は何ですか?

A. 条件緩和申出書、追加する範囲に関する事業計画書、取引承諾書(必要な場合)、ECサイトの予定画面(通信販売を追加する場合)などです。新規申請より書類は少ないですが、追加する内容に応じて必要な資料が変わります。

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この記事は、行政書士・社会保険労務士(酒類販売業免許申請分野の実務経験16年、2000件以上の実績)が、実際の申請・相談事例をもとに解説しています。

最終更新日:2026年4月25日
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  • 販売方法は?(ワインを飲食店に販売、日本酒を通信販売、ウイスキーの輸出、など)
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