コンサートグッズとして企画した日本酒を、自社のオンラインショップなどで継続的に販売する場合には、通信販売酒類小売業免許が必要です。
今回は、東京都北区でコンサートグッズの制作や広告プランニングなどを手がける会社様からご依頼をいただき、ミュージシャンとコラボして企画したオリジナル日本酒を自社で通信販売するため、通信販売酒類小売業免許の取得をお手伝いしました。
当初は酒造会社が通信販売やコンサート会場での販売を行っていましたが、商品の好評を受け、今後は依頼者様自身で酒類販売を行うこととなったケースです。
また、代表者が長期間海外で事業を行っていたため、その期間の経歴をどのように整理して申請するかもポイントとなりました。
1. 事例の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者所在地 | 東京都北区 |
| 依頼者の業種 | コンサートグッズの制作・広告プランニング、マッチングサイト運営(2015年設立) |
| 取得免許 | 通信販売酒類小売業免許 |
| 販売する酒類 | ミュージシャンのコンサートグッズとして企画した日本酒 |
| 申請日 | 2016年3月3日 |
| 免許交付日 | 2016年5月17日 |
| 申請から交付まで | 約2ヶ月半 |
| 特記事項 | コンサートグッズとして企画したオリジナル日本酒の通信販売 |
2. ご相談の経緯
同社は、コンサートグッズの制作・広告プランニング、マッチングサイトの運営などを手がける会社として2015年に設立されました。
ロックバンドのコンサートグッズ制作に携わる中で、グッズのひとつとして日本酒を企画。当初は酒造会社が通信販売を担い、日本武道館でのコンサートでは酒造会社が期限付酒類小売業免許を取得して会場販売を行い、大変好評を得ました。
こうした実績を踏まえ、今後は自社で直接酒類の販売を行いたいとのご意向から、通信販売酒類小売業免許の取得をご依頼いただきました。
3. 申請上のポイント:代表者の海外在住期間中の経歴説明
酒類販売業免許の申請では、法人の場合、役員の経歴を詳細に記載する必要があります。
本件の代表取締役は、1995年からグッズ制作会社で取締役を務めた後、2003年に渡米し、ロサンゼルスでアパレル業および自動車販売会社の代表取締役として事業を展開していました。前年10月に全事業を売却して帰国し、現在の会社を設立しています。
このように日本に不在だった期間がある場合、その間の経歴を漏れなく説明することが重要です。海外での事業経歴も含めて整理し、申請書類に適切に記載することで、審査をスムーズに進めることができます。
4. 通信販売酒類小売業免許とは
通信販売酒類小売業免許は、インターネットや雑誌などを通じて、2都道府県以上の消費者に酒類を販売する場合に必要な免許です。
取り扱える酒類は原則として課税移出数量が3,000キロリットル未満の製造者が製造した品目に限られます(いわゆる「大手メーカーの商品は通信販売できない」というルール)。ただし、輸入酒類についてはこの制限が適用されません。
コンサートグッズとして企画したオリジナル日本酒のような商品は、通信販売酒類小売業免許の活用場面として典型的な事例のひとつです。
5. よくある質問
Q. 代表者や役員が長期間海外に在住していた場合、免許取得に影響しますか?
在住期間そのものが不利になるわけではありませんが、その期間の経歴(どのような事業を行っていたか)を漏れなく説明する必要があります。本事例のように、海外での事業経歴も含めて整理し、申請書類に適切に記載することで審査をスムーズに進めることができます。
Q. 大手メーカーのお酒は通信販売できませんか?
原則として、課税移出数量が年間3,000キロリットル以上の製造者が製造した酒類は、通信販売酒類小売業免許の対象外です。ただし輸入酒類についてはこの制限が適用されないため、海外の酒類であれば大手メーカーの商品でも通信販売できます。
Q. イベント会場での酒類販売と、通信販売は同じ免許で対応できますか?
対応できません。会場等での期間限定の販売には期限付酒類小売業免許、通年でのオンライン販売には通信販売酒類小売業免許と、それぞれ別の免許が必要です。本事例でも、当初は酒造会社が期限付酒類小売業免許で会場販売を行い、その後、自社での通年販売のために通信販売酒類小売業免許を取得するという流れになっています。
Q. オリジナル商品(コラボ酒等)を通信販売する場合、通常と申請内容は変わりますか?
基本的な申請要件は同じですが、取り扱う商品(銘柄・製造者等)を具体的に示す資料の提出が求められます。企画段階で仕入先・製造委託先が決まっている場合は、その情報を整理しておくとスムーズです。
まとめ
- コンサートグッズとして企画したオリジナル日本酒を自社で通信販売するため、通信販売酒類小売業免許を取得した事例
- 役員に海外在住期間がある場合は、その間の経歴を漏れなく説明することが審査上重要
- 通信販売できる酒類は、原則として課税移出数量3,000kl未満の製造者のもの(輸入酒類は対象外)
- 会場等での期間限定販売(期限付酒類小売業免許)と通年のオンライン販売(通信販売酒類小売業免許)は別の免許が必要
コンサートグッズや企業コラボ商品としての酒類販売、通信販売酒類小売業免許の取得についてご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。










