酒税法上の酒類の定義とは?清酒・果実酒・リキュール等の分類を行政書士がわかりやすく解説

 

酒税法上の酒類の分類とは|清酒・果実酒・リキュール等を行政書士が解説

お酒を販売したい、輸入したい、ネット通販したいと考えたとき、まず確認しておきたいのが「その商品が酒税法上どの酒類に該当するのか」という点です。

酒類販売業免許の実務では、取り扱う商品がどの酒類区分に入るのか、申請する免許でその酒類を扱えるのか、通信販売の対象になるのか、卸売が可能か、といった点を整理する必要があります。

例えば、見た目は似ていても、酒税法上の分類が異なれば、申請書への記載や説明の仕方、必要となる免許の考え方に影響することがあります。そのため、酒類の定義を正しく理解しておくことは、酒類販売業免許の取得や適切な販売体制の構築において重要です。

本ページでは、酒税法上の主な酒類の分類をわかりやすく整理するとともに、酒類販売業免許との関係について、行政書士の視点から解説します。

酒税法上の酒類区分一覧

酒税法では、酒類を以下の品目に分類しています。実務頻度の低い品目も含め、まず全体像を確認しておくと便利です。

品目 定義の概要
清酒 米・米こうじ・水を原料として発酵させてこしたもの(アルコール分22度未満)
合成清酒 アルコール等を原料として清酒に類似させて製造したもの(アルコール分16度未満、エキス分5度以上等)
連続式蒸留焼酎 アルコール含有物を連続式蒸留機により蒸留したもの(アルコール分36度未満)
単式蒸留焼酎 アルコール含有物を連続式蒸留機以外の蒸留機により蒸留したもの(アルコール分45度以下)
みりん 米・米こうじにしょうちゅう又はアルコール等を加えてこしたもの(アルコール分15度未満、エキス分40度以上等)
ビール 麦芽・ホップ・水を原料として発酵させたもの(アルコール分20度未満)
果実酒 果実を原料として発酵させたもの(アルコール分20度未満)
甘味果実酒 果実酒に糖類又はブランデー等を混和したもの
ウイスキー 発芽させた穀類及び水を原料として糖化・発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの
ブランデー 果実若しくは果実及び水を原料として発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの
原料用アルコール アルコール含有物を蒸留したもの(アルコール分45度超)
発泡酒 麦芽又は麦を原料の一部とした酒類で発泡性を有するもの(アルコール分20度未満)
その他の醸造酒 穀類・糖類等を原料として発酵させたもの(アルコール分20度未満、エキス分2度以上等)
スピリッツ 上記のいずれにも該当しない酒類でエキス分が2度未満のもの
リキュール 酒類と糖類等を原料とした酒類でエキス分が2度以上のもの
粉末酒 溶解してアルコール分1度以上の飲料とすることができる粉末状のもの
雑酒 上記のいずれにも該当しない酒類

主な酒類区分の実務解説

以下では、ご相談の多い主要な品目について、免許実務と合わせて解説します。

清酒

清酒は、日本酒の代表的な区分です。米・米こうじ・水などを原料として発酵させてこしたものが中心で、一般に「日本酒」として流通している商品がこれに該当します。純米酒・吟醸酒・大吟醸酒・本醸造酒・普通酒などが含まれます。

実務上のポイント
日本酒を販売したいというご相談では、商品名だけで判断せず、実際の酒類区分を確認することが大切です。海外向け輸出や通販を予定している場合は、商品ごとの整理が必要になることがあります。

焼酎(単式蒸留・連続式蒸留)

焼酎は、酒税法上、単式蒸留焼酎と連続式蒸留焼酎に分かれます。芋焼酎・麦焼酎・米焼酎・そば焼酎・黒糖焼酎などは単式蒸留焼酎、甲類焼酎やチューハイのベースに使われるものは連続式蒸留焼酎に分類されます。

実務上のポイント
焼酎は原料や製法によってイメージが異なりますが、免許実務では酒税法上の分類で整理することが大切です。「本格焼酎を扱いたい」「焼酎ベースの商品を通販したい」といった場合は、商品ごとの確認が必要です。

みりん

みりんは調味料として認識されることが多いですが、アルコール分を含むため、酒税法上は酒類として扱われるものがあります。

実務上のポイント
食品販売業者様から、みりんやリキュール類を扱う際に酒類販売業免許が必要かどうかご相談を受けることがあります。商品によって扱いが異なるため、販売方法や商品内容を含めて確認することが重要です。

ビール・発泡酒

ビールは、麦芽・ホップなどを原料として製造される代表的な酒類で、一般的な缶ビールや瓶ビールの多くがこの区分に入ります。発泡酒はビールに似た性質を持ちながら、原料や製法等の違いによって別区分とされます。

実務上のポイント
クラフトビールの販売、輸入ビールの販売、飲食店併設の小売など、ビールに関するご相談は非常に多いです。見た目や販促上の表現だけではビールか発泡酒かが分かりにくいケースもあるため、商品表示やメーカー情報をもとに区分を確認しておくとスムーズです。

果実酒・甘味果実酒

果実酒は、ぶどうその他の果実を原料として製造される酒類で、ワインが代表例です。赤ワイン・白ワイン・ロゼワイン・スパークリングワイン・シードルなどが含まれます。甘味果実酒は、果実酒に糖分やアルコール等を加えたものなどが該当します。

実務上のポイント
ワインショップ、輸入ワイン販売、EC販売など、果実酒に関する免許相談は非常に多くあります。輸入酒を扱う場合は、通常のワインと思っていた商品が甘味果実酒に分類されることもあるため、ラベル表示や成分内容の確認が重要です。

ウイスキー・ブランデー

ウイスキーは、穀類を原料として糖化・発酵・蒸留して製造される代表的な蒸留酒です。ジャパニーズウイスキー・スコッチ・バーボンなどが含まれます。ブランデーは、果実を原料とする蒸留酒で、ぶどうを原料とするものが代表的です。

実務上のポイント
輸入洋酒の取扱いでは、ウイスキー・ブランデー・スピリッツ・リキュールが混在することがよくあります。申請時には「洋酒」とざっくり整理するだけでなく、実際の品目構成を確認しておくことが大切です。ウイスキーを小売するのか卸売するのか、輸出も予定しているのかによって、必要な免許や事業設計の考え方が変わります。

スピリッツ

スピリッツは、蒸留酒のうち、ウイスキーやブランデーなど他の区分に当てはまらないものが含まれる区分です。ジン・ウォッカ・ラム・テキーラなどが該当します。

実務上のポイント
クラフトジンや輸入スピリッツの販売相談は増えています。ネット販売や飲食店での店頭販売を検討する場合は、販売形態に応じた免許整理が必要です。

リキュール

リキュールは、酒類に糖類や香味料、果実などを加えて作られる酒類です。梅酒・柚子酒・カシスリキュール・ハーブ系リキュールなど、実務上よく見かける商品が多く含まれます。

なお、「クラフトジン」として販売されている商品でも、エキス分の違いによってスピリッツではなくリキュールに分類されるケースがあります。当事務所でも、クラフトジンの製造免許申請をサポートした際に、実際の商品がリキュールに該当したという事例があります。名称だけで判断せず、商品仕様の確認が重要です。

実務上のポイント
「梅酒を販売したい」というご相談は多いですが、商品によって分類が変わることがあります。見た目や名称だけで判断せず、商品仕様を確認したうえで申請や販売方法を検討することが重要です。

雑酒・その他

雑酒は、上記の各分類に当てはまらない酒類を含む区分です。近年はクラフト系商品や新しいタイプの商品も増えており、分類に注意が必要なケースがあります。数年前に流行した輸入のハードセルツァーが雑酒に分類されていた一方、国産のハードセルツァーの多くはスピリッツに分類されるなど、同じカテゴリーの商品でも区分が異なることがあります。

実務上のポイント
新しい商品を扱う場合や海外商品を仕入れる場合は、販売前に区分を確認しておくと安心です。特にECサイトで多品目を扱う場合は、商品マスタの整備が重要になります。

酒類の分類と酒類販売業免許の関係

酒類の分類を理解する目的は、単に知識として覚えることではありません。どの免許で、どのように販売できるのかを整理することが重要です。

一般酒類小売業免許を検討している場合

実店舗で日本酒・ワイン・焼酎・リキュールなどを販売する場合には、一般酒類小売業免許の取得を検討することになります。どの酒類を中心に扱うかを整理しておくと、事業内容の説明もしやすくなります。

通信販売酒類小売業免許を検討している場合

自社ECサイトやネットショップで酒類を販売したい場合には、通信販売酒類小売業免許が問題になります。ただし、通信販売で販売できる酒類には一定のルールがあるため、取扱商品が対象になるかを事前に確認することが大切です。

卸売業免許を検討している場合

酒販店・飲食店・海外取引先などへ販売する場合には、卸売業免許の検討が必要になります。清酒・果実酒・スピリッツ・リキュールなど、どの区分の商品をどう流通させるかを整理することが重要です。取り扱う酒類の区分によって、洋酒卸売業免許輸入酒類卸売業免許など、必要な免許が変わります。

よくあるご質問

Q:ワインはどの酒類に入りますか?
一般的なワインは果実酒に分類されます。ただし、果実酒に糖分やアルコールを加えたものは甘味果実酒に分類される場合があるため、輸入品を扱う際はラベルや成分内容の確認をお勧めします。
Q:梅酒はすべて同じ分類ですか?
市販の梅酒の多くはリキュールに分類されます。ただし製法や原料の構成によって異なる場合があるため、商品仕様を確認するのが安全です。名称だけで判断せず、メーカーの品目表示を確認してください。
Q:クラフトジンはどの分類ですか?
一般にはスピリッツに整理されることが多いですが、エキス分の違いによってリキュールに分類されるケースもあります。商品ごとに確認することが大切です。
Q:ハードセルツァーはどの分類になりますか?
国産品の多くはスピリッツに分類されますが、輸入品では雑酒に分類されているケースもあります。仕入れ先や商品ごとに確認が必要です。
Q:酒類の分類が分からないまま免許申請しても大丈夫ですか?
申請前に整理しておくことをお勧めします。取扱商品が多い場合や、通販・輸入・卸売を予定している場合は特に、事前の品目整理が申請をスムーズに進めるうえで重要です。不明な点は申請前にご相談ください。

酒類販売業免許のことなら行政書士にご相談ください

酒類販売業免許の申請では、どの免許が必要か、どの酒類を扱う予定か、通販・店舗販売・卸売のどれに当たるか、今後の事業展開に合った免許構成になっているか、といった点を総合的に整理する必要があります。

  • ワインを販売したい
  • 日本酒をネット通販したい
  • 輸入した洋酒を卸したい
  • 実店舗とECの両方で販売したい

このような場合には、酒類の分類と免許の関係を整理したうえで申請準備を進めることが大切です。

行政書士岩元事務所では、酒類販売業免許の申請サポートを行っております。取扱予定商品の整理段階からご相談いただけますので、酒類販売業免許の取得をご検討の際はお気軽にご相談ください。

 

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