酒類販売業者の記帳義務|帳簿に記載すべき事項・保存期間・数量報告書
酒類販売業免許を取得すると、販売開始後は酒税法に基づくさまざまな義務が生じます。そのひとつが記帳義務です。仕入れと販売の内容を帳簿に記録し、一定期間保存することが法律で定められています。この義務を怠ると罰金または科料の対象となります。
免許取得の準備に集中しているうちは見落としがちですが、免許交付後すぐに記帳を始める必要があります。本記事では、何をどのように記録すればよいか、実務上のポイントを整理します。
記帳が必要な事項
帳簿には、酒類の品目別および税率の適用区分別(アルコール分別など)に、仕入れと販売それぞれについて以下の事項を記載します。
仕入れに関する記載事項
- 仕入数量
- 仕入価格
- 仕入年月日
- 仕入先の住所および氏名または名称
販売に関する記載事項
- 販売数量
- 販売価格
- 販売年月日
- 販売先の住所および氏名または名称
帳簿の様式は自由——既存の会計ソフトでも対応可能
酒税法上、帳簿の様式は定められていません。必要な記載事項がすべて記録できていれば、自社で作成した様式でも構いません。
多くの事業者は、既存の会計ソフトや販売管理システムの購入・販売記録がそのまま帳簿として機能します。ただし、「品目別・税率の適用区分別」という形式で集計できているかどうかを確認しておく必要があります。ビール・清酒・ウイスキーなど品目ごとに分けて記録することが求められます。
エクセルや手書きの帳簿でも問題ありませんが、取引件数が増えると管理が煩雑になるため、販売管理ツールの導入も検討する価値があります。
帳簿の保存期間と保存方法:閉鎖後5年間・原則は紙で保管
作成した帳簿は、販売場ごとに常時備え付けておき、帳簿を閉鎖した後5年間保存する必要があります。
会計ソフトやExcelなどPCで管理している場合も、原則として紙に印刷して保管する必要があります。データで作成しているからといって、そのままPC上に保存しておくだけでは義務を満たしたことにはなりません。
ただし、電子帳簿保存法の要件を満たしている場合は、電子データのままの保存が認められます。電子帳簿保存法に対応した会計ソフトを使用し、訂正・削除の履歴が残る形で管理していること等が要件となります。対応ソフトを使用している場合は、電子化での保存も検討できます。
毎年4月:数量報告書の提出義務
酒類販売業者には、毎年4月に前年度分の酒類の販売数量を記載した報告書(数量報告書)を税務署に提出する義務があります。
報告書には品目別の販売数量を記載します。日頃から品目別に帳簿を正確につけておくことで、この報告書の作成がスムーズになります。逆に記帳が不十分だと、年度末にまとめて集計する作業が発生し、数字の正確性にも問題が生じやすくなります。
提出先は販売場の所在地を管轄する税務署です。
記帳義務を怠った場合の罰則
記帳義務に違反した場合、酒税法の規定により罰金または科料が科せられます。また、著しい義務違反が続く場合は免許の取消し要件にも該当するため、免許取得後の義務管理は申請と同様に重要です。
まとめ
- 酒類販売業者には酒税法上の記帳義務がある。仕入れ・販売ともに品目別・数量・価格・年月日・取引先を記録する
- 帳簿の様式は自由。既存の会計ソフト・販売管理システムでの対応も可能だが、品目別に集計できているか確認が必要
- 帳簿は販売場ごとに備え付け、閉鎖後5年間保存する。PCデータで管理している場合は原則として印刷して保管する必要がある。電子帳簿保存法の要件を満たす場合は電子データでの保存も可
- 毎年4月に前年度分の数量報告書を管轄税務署に提出する義務がある
- 義務違反は罰金・科料の対象となり、重大な違反は免許取消しにもつながる
酒類販売業免許の取得後の義務管理についてご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。










