酒類販売業免許なしで販売するとどうなる?酒税法上の罰則を行政書士が解説
「少量だから大丈夫」「個人間の取引だから問題ない」と考えてお酒を無免許で販売してしまうケースがあります。しかし酒税法は無免許販売に対して刑事罰を定めており、発覚した場合は厳しい処分を受けることになります。
無免許で酒類を販売した場合の罰則
酒類販売業免許を取得せずにお酒の販売業を行った場合、酒税法第56条により1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。
「販売業」とは継続的に販売する行為を指します。1回限りの販売であっても、反復・継続の意思があると認められる場合は販売業に該当するとされています。また、営利目的かどうか、相手が特定・不特定かどうかは問いません。
なお、無免許販売に使用した酒類・機械・器具・容器等は、誰の所有物であっても没収される場合があります。
酒類の無免許製造の罰則
酒類製造免許を取得せずに酒類・酒母・もろみを製造した場合は、酒税法第54条により10年以下の懲役または100万円以下の罰金という、販売よりも重い罰則が定められています。
自家醸造(自宅でのビール・ワイン・日本酒等の製造)は、たとえ自己消費目的であっても酒税法上の製造にあたり、免許なく行うことは禁止されています。
脱税・不正行為の罰則
不正な行為によって酒税を免れた場合や、還付を不正に受けた場合は、酒税法第55条により10年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。脱税額が大きい場合は、罰金額がその3倍まで引き上げられることがあります。
免許の条件違反・帳簿不記載等の罰則
免許を取得していても、以下のような違反行為には罰則が適用されます(酒税法第58条・1年以下の懲役または50万円以下の罰金)。
- 免許の条件(取り扱える酒類の種類・販売方法等)に違反して販売した
- 販売場の移転等に必要な申告をせずに販売業を行った
- 帳簿の記載をしなかった、偽りの記載をした、または帳簿を隠匿した
- 申告書を期限までに提出しなかった、または偽りの申告書を提出した
免許を持っていれば何でも自由に販売できるわけではなく、免許に付された条件の範囲内での販売が求められます。条件の範囲を超えた販売を行う場合は、事前に条件緩和の申出が必要です。
罰則を受けると次の免許申請にも影響する
酒税法違反で処分を受けた場合、その後の酒類販売業免許の申請にも影響します。酒類販売業免許の申請要件として「申請前1年以内に酒税法の規定により罰金刑に処せられた者でないこと」が定められており、違反歴があると一定期間は免許を取得できなくなります。
まとめ
- 酒類販売業免許なしでお酒を販売すると、1年以下の懲役または50万円以下の罰金(酒税法第56条)
- 酒類製造免許なしで製造すると、10年以下の懲役または100万円以下の罰金(酒税法第54条)
- 免許取得後も、免許条件違反・帳簿不記載等は同様に罰則の対象となる
- 違反歴があると、その後の免許申請にも支障が生じる
「自分のケースで免許が必要かどうかわからない」という場合は、無免許で販売を始める前にご相談ください。初回相談は無料です。










