楽天市場でお酒を販売するための免許

楽天市場でお酒を販売するには、酒税法に基づく「通信販売酒類小売業免許」の取得が必要です。免許なしで出品すると酒税法違反となるため、出店前に必ず取得してください。

このページでは楽天市場でのお酒販売に必要な免許と、出店までの具体的な手順を行政書士が解説します。

楽天市場でお酒を販売するのに必要な免許

楽天市場をはじめとするECモールでお酒を販売する場合、通信販売酒類小売業免許が必要です。この免許は、2以上の都道府県の消費者を対象としてインターネットやカタログでお酒を販売するために酒税法で定められたものです。

楽天市場は全国の消費者が利用するプラットフォームであるため、1都道府県を超えた販売となります。そのため一般酒類小売業免許(店頭販売用)ではなく、通信販売酒類小売業免許が必要となります。

免許なし出品は酒税法違反

免許を取得せずに楽天市場でお酒を販売した場合、酒税法の規定により1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される可能性があります(令和7年6月の刑事法改正により、従来の「懲役」は「拘禁刑」に統一されました)。

また楽天市場の出店規約上、酒類は免許証の提出が必要な商材です。免許なしでの出品は出店停止にもつながります。

販売できるお酒の種類と制限

通信販売酒類小売業免許で楽天市場に出品できるお酒は、すべての酒類ではありません。以下の制限があります。

輸入酒類

ワイン、ウイスキー、ビールなど、輸入されたお酒はすべて販売できます。自社が直接輸入したものでも、他社が輸入したものを仕入れて販売する場合でも問題ありません。

国産酒類

国産のお酒は販売できる銘柄に制限があります。カタログ等の発行年月日が属する会計年度の前会計年度において、品目ごとの課税移出数量がすべて3,000キロリットル未満の製造者が製造した酒類に限られます。

大手メーカーの国産酒は販売不可

キリン・アサヒ・サントリー・宝酒造などの大手メーカーが製造した国産ビール・発泡酒・日本酒・焼酎等は、3,000キロリットルの基準を超えるため通信販売酒類小売業免許では販売できません。地酒・クラフトビール・小規模酒蔵の製品が中心となります。

国産酒類を楽天市場で販売するには、仕入れ先の製造者から「通信販売の対象となる酒類である旨の証明書」を発行してもらい、免許申請の添付書類とする必要があります。

楽天市場の出店審査と免許通知書の提出

楽天市場では、酒類を販売するために出店審査の申請書類提出時に免許通知書の写しの提出が必要です。

楽天市場の出店注意事項ページ(出店申請書類の案内)では、酒類の項目として「酒類販売業免許通知書の写し」が必要書類として明記されています。

楽天市場の出店審査で酒類販売に必要なもの(楽天公式情報より)

  • 酒類販売業免許通知書の写し(出店審査時に提出)
  • インターネット上で販売が可能であることの確認
  • 取り扱う酒類の品目情報
  • 法令表示ラベル(品目に応じた表示ラベルが必要)

※楽天市場の審査要件は変更になる場合があります。最新情報は楽天市場 出店申請に関するご注意ページでご確認ください。

重要:免許申請と楽天出店の手順は連動している

楽天市場でお酒を販売する場合、税務署への免許申請と楽天市場の出店申請の手順が連動しています。この順番を間違えると余計な手間が生じるため、以下をよく確認してください。

免許申請時に「楽天市場の通販予定画面」の提出が必要

通信販売酒類小売業免許を税務署に申請する際、添付書類として通信販売を行うウェブサイトの予定画面の提出が必要です。楽天市場での販売を予定している場合は、楽天の本審査前に楽天市場の通販予定画面を作成しておき、それを免許申請書類に添付します。

つまり、正しい順序は「楽天のショップ画面(予定)を先に作成 → 税務署に免許申請 → 免許取得 → 楽天の出店審査に免許通知書を提出」です。

免許申請・楽天出店の全体的な流れ

  1. 販売するお酒・仕入れ先を決める
  2. 楽天市場へ出店の仮登録を進め、通販予定画面を作成する
  3. 販売場(事務所)を確保する
  4. 税務署へ免許申請(楽天の通販予定画面を添付)
  5. 審査期間中(約2か月)に楽天の出店手続きを並行して進める
  6. 登録免許税30,000円を納付・免許通知書を受領
  7. 楽天市場の審査に免許通知書の写しを提出
  8. 楽天の審査通過 → 年齢確認・法定表示を整備して販売開始

楽天市場では出店後に酒類を新たに追加する場合も、同様に免許通知書の提出が求められます。

楽天市場でのお酒販売に必要な表示義務

酒類を通信販売する場合、酒類業組合法および国税庁の表示基準に基づき、次の表示が義務付けられています。

表示項目 内容
未成年者飲酒禁止の表示 ウェブサイトのトップページおよび商品ページに「20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています」等の表示
年齢確認 購入手続き中に、購入者の生年月日または年齢を数字で入力させる欄を設置。「20歳以上です」というチェックボックスへのチェックのみでは不十分とされています
販売者情報の表示 特定商取引法に基づく表記(事業者名・住所・電話番号等)
飲酒運転防止 「飲酒運転は法律で禁止されています」等の表示(推奨)

楽天市場のシステム上でも年齢確認機能が提供されていますが、自社のネットショップと異なり楽天側の仕組みに依存する部分があります。年齢確認の方式が生年月日・年齢の入力を求めるものになっているか、出店後に楽天のガイドラインを必ず確認してください。

実店舗と楽天市場を両方やりたい場合

実店舗での販売と楽天市場への出品を同時に行いたい場合は、一般酒類小売業免許と通信販売酒類小売業免許の両方を取得します。同一の販売場(事務所)で2つの免許を同時に申請することができます。

2免許同時取得の場合の登録免許税

一般酒類小売業免許・通信販売酒類小売業免許は、いずれも「小売」区分の免許です。同一の販売場で小売系の免許を同時に申請する場合、登録免許税は合計30,000円が上限となります(それぞれ30,000円ずつ、合計60,000円が必要になるわけではありません)。

よくある質問

Q. すでに一般酒類小売業免許を持っています。楽天市場でも販売できますか?

一般酒類小売業免許のみでは、楽天市場での全国販売はできません。通信販売酒類小売業免許を追加取得する必要があります。

条件緩和の申請(新規免許ではなく既存免許の範囲を広げる手続き)で対応でき、この場合、登録免許税は不要です(すでに小売系免許の上限額である30,000円を納付済みのため)。

Q. 個人事業主でも楽天市場に出店できますか?

可能です。通信販売酒類小売業免許は個人・法人を問わず取得できます。楽天市場の出店も個人事業主として申請できます。

Q. 免許取得にどのくらいの期間がかかりますか?

税務署への申請から免許証の交付まで、標準的な審査期間は約2か月です(申請書類が整っている場合)。楽天市場の出店審査にも一定の期間がかかるため、販売開始を予定している日の3〜4か月前には準備を始めることをお勧めします。

Q. Amazon・Yahoo!ショッピングでも同じ免許でよいですか?

はい。通信販売酒類小売業免許は、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・その他ECモールのいずれでも使用できます。免許は「販売場(事務所)」に紐づくものであり、どのプラットフォームで販売するかは問いません。

【まとめ】楽天市場でお酒を販売するためのポイント

  1. 通信販売酒類小売業免許が必須。一般酒類小売業免許(店頭用)では対応不可
  2. 免許申請前に楽天の通販予定画面を作成しておく必要がある(税務署への添付書類として必要)
  3. 楽天の出店審査には免許通知書の写しの提出が必要
  4. 大手メーカーの国産酒は販売不可。輸入酒・地酒・クラフト系が販売可能な主な商品
  5. 販売ページへの年齢確認(生年月日・年齢の入力欄)・未成年者飲酒禁止の表示が義務付けられている
  6. 一般酒類小売業免許と同時取得する場合、同一販売場なら登録免許税は合計30,000円が上限

楽天市場でのお酒販売を検討されている方は、免許取得についてお気軽にご相談ください。

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    平成24年9月1日

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