「日本酒やワインをインターネットで販売し、あわせて海外にも輸出したい場合、どの酒類販売業免許が必要なのでしょうか?」
酒類販売業免許は、販売方法や販売先によって必要となる免許が異なります。国内の一般消費者へインターネット等で販売する場合には通信販売酒類小売業免許、海外へ輸出して販売する場合には輸出酒類卸売業免許が必要となります。
今回ご紹介するのは、東京都立川市で人材事業・旅行事業・海外留学事業・飲食事業などを幅広く展開している法人様が、新たに清酒(日本酒)と果実酒(ワイン)のインターネット販売および海外輸出を始めるため、通信販売酒類小売業免許と輸出酒類卸売業免許を同時に取得した事例です。
この会社様は飲食事業も営んでいたため、免許審査では、販売用に仕入れる酒類と飲食店で使用する酒類が明確に区分されているかについても確認が行われました。
この事例をもとに、通信販売と輸出を同時に始める場合に必要となる酒類販売業免許や、飲食事業を兼業している会社が申請する際に注意したいポイントについてご紹介します。
1. ご依頼の概要
立川市の法人様から、酒類販売業免許の取得代行のご依頼をいただきました。
人材事業・旅行事業・海外留学事業・飲食事業と幅広く手がける多角経営の会社で、新たに清酒(日本酒)と果実酒(ワイン)のネット販売および海外輸出を始めるにあたり、通信販売酒類小売業免許と輸出酒類卸売業免許の2つを同時に申請・取得しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 立川市の法人(人材・旅行・海外留学・飲食の多角経営) |
| 取得免許 | 通信販売酒類小売業免許/輸出酒類卸売業免許 |
| 販売するお酒 | 清酒(日本酒)・果実酒(ワイン) |
| 申請日 | 2014年4月18日 |
| 免許取得日 | 2014年6月13日 |
| 申請から交付まで | 約2ヶ月 |
2. 免許ごとの販売範囲
今回取得した2つの免許には、それぞれ販売できる範囲に条件があります。
通信販売酒類小売業免許では、国産の清酒と果実酒をインターネット等で消費者に販売することができます。ただし、国産酒類については年間製造量が3,000キロリットル未満の酒造会社が製造したものに限るという条件があります。
輸出酒類卸売業免許では、自社が輸出する清酒および果実酒の卸売が可能です。この免許では「自己が輸出する酒類」に限定されており、他の業者の輸出を代行するような形での卸売はできません。
3. この事例のポイント:飲食業兼業者が受ける審査上の確認
この事例で特徴的だったのが、審査の過程で飲食事業の仕入先について確認が入った点です。
酒類販売業免許の審査では、「販売用に仕入れるお酒」と「飲食店で使用するお酒」が明確に区分されているかどうかが確認されます。同一法人が飲食事業を営んでいる場合、仕入れたお酒が販売目的なのか飲食店での使用目的なのかが曖昧になりやすいため、税務署はその区分を厳しく確認します。
今回は、飲食事業で使用しているお酒の仕入先一覧を提出することで、販売用の酒類と飲食用の酒類が別々のルートで管理されていることを証明し、審査を通過しました。
飲食業を兼業している法人が酒類販売業免許を申請する際には、この「仕入先・在庫の区分管理」が重要なポイントになります。
4. 飲食業兼業の法人が免許申請する際の注意点
飲食事業を営む法人が酒類販売業免許を取得する場合、以下の点に注意が必要です。
仕入先・在庫の区分管理 飲食用の仕入先と販売用の仕入先は別々に管理し、帳簿や発注書でも明確に区別できる状態にしておく必要があります。審査の際に仕入先一覧の提出を求められることがあります。
保管場所の区分 販売用の酒類と飲食店の在庫が同じ場所に混在していると、区分が不明確と判断される可能性があります。保管スペースを分けるか、ラベリング等で管理状況を明示することが望ましいです。
販売場所の特定 一般酒類小売業免許の場合は店頭での販売場所を特定する必要がありますが、通信販売の場合は事務所等を販売場所として申請することが一般的です。
5. よくある質問
Q. 飲食店を経営していますが、店で使うお酒と販売用のお酒を同じ仕入先から仕入れても問題ないですか?
同じ仕入先からの仕入れ自体は問題ありませんが、販売用と飲食店使用分を帳簿上明確に区分できるようにしておく必要があります。本事例のように、仕入先一覧を整理して提出することで審査に対応できます。
Q. 通信販売酒類小売業免許で、海外への輸出も対応できますか?
対応できません。通信販売酒類小売業免許は国内の消費者向けの免許です。海外への輸出には輸出酒類卸売業免許が別途必要です。本事例のように、国内通販と海外輸出の両方を計画している場合は、2つの免許を同時に申請するのが効率的です。
Q. 輸出酒類卸売業免許があれば、他社の商品の輸出も代行できますか?
できません。輸出酒類卸売業免許は「自己が輸出する酒類」の卸売に限定されており、他の業者の輸出を代行する形での卸売はできません。他社の酒類を扱う場合は、免許の内容について個別にご相談ください。
Q. 本業が飲食業以外(人材業・旅行業など)でも、酒類販売業免許は取得できますか?
取得できます。本事例のように、本業とは別の新規事業として酒類販売を始めるケースは珍しくありません。ただし、他に飲食事業を兼業している場合は、仕入れ・在庫の区分管理について審査で確認されることがあります。
まとめ
- 多角経営の法人が、清酒・果実酒の通信販売と海外輸出のため、通信販売酒類小売業免許・輸出酒類卸売業免許を同時取得した事例
- 飲食事業を兼業している場合、販売用と飲食用の酒類の仕入れ・在庫が区分管理されているかが審査で確認される
- 輸出酒類卸売業免許は「自己が輸出する酒類」に限定され、他社の輸出代行はできない
多角経営・異業種からの酒類販売参入では、どの免許が必要かの判断から審査対策まで、専門家に相談しながら進めることをおすすめします。「自分のケースでは何の免許が必要か」「飲食業と兼業しているが大丈夫か」といったご不明点は、行政書士岩元事務所にお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。










