酒類(アルコール度数1%以上の飲料)の輸入方法について

酒類販売業免許はお酒を販売できる免許ですが、海外からお酒を輸入するとなると免許とは別に、様々な手続きが必要になります。

ここでは簡単に酒類(アルコール度数1%以上の飲料)の関係する法令、輸入の流れ、必要な書類などについて説明していきます。

まず酒類は主に食品衛生法、酒税法に該当します。食品衛生法は厚生労働省所管の法律で、輸入の手続きは検疫所が行います。酒税法は財務省所管の法律で、税務署が手続きを行っています。

では輸入の流れですが基本的な流れは他の製品と同じく下記のような流れとなります。

基本的な輸入の流れ

  1. 貨物輸送を依頼するフォーワーダー(*1)を選定し手配依頼。
  2. 貨物が現地倉庫から出荷。
  3. 船または航空機に搭載され輸送。
  4. 日本の港に到着。
  5. 輸入申告、審査・検査の実施。
  6. 輸入税・関税納付。
  7. 輸入許可、貨物の引き取り。

*1 食品等輸入届出書の代理申請が可能で、食品輸入の実績が豊富なフォワーダーを選定することをおすすめします。

ただし先ほど述べたように酒類は食品衛生法に関係するため、販売する目的で輸入する製品に関しては税関への輸入申告の前に厚生労働省検疫所へ食品等輸入届出書が必須となります。従って通関書類以外に食品等輸入届出書に必要な書類を事前に準備しておく必要があります。

酒類輸入に必要な基本書類

①INVOICE インボイス(通関に必要)

輸出貨物の記号、商品名、数量、契約条件、単価、仕向人、仕向地、代金支払い方法などが記載された貨物の明細書。

②PACKING LIST パッキングリスト (通関に必要)

商品(品名)、個数、重量、荷姿が記載された貨物の梱包明細書。酒類の場合通関時に酒税の計算をするため、Net Weight (内容量)の記載も必要となります。

③INGREDIENT SHEET 成分表(食品等輸入届出に必要)

原材料に使用されている成分が記載された書類。製造者名、住所、商品名の記載が必要です。

④PRODUCTION FLOW 製造工程表(食品等輸入届出に必要)

食品の製造工程が記載された書類。製造者名、住所、商品名の記載が必要です。

①②の書類は輸出者、③④の書類は製造者に英語または日本語で作成を依頼します。定型フォームはありませんので独自のフォームで作成下さい。

*酒の種類によっては衛生証明書など追加で必要な書類がある場合があります。

検疫所の事前相談と手続き

保存料などの添加物が含まれている場合は日本の法令に準じているかを添加物リストで確認して下さい。

またあまり聞きなれない果物や植物が使われている場合、製品の原材料(成分本質)により「医薬品」と判断される場合もありますので、医薬品リストで確認してください。

自ら調べた結果、まだ不明な点がある場合は検疫所の輸入食品相談指導室へ相談(事前輸入相談)することをお勧めします。

食品等輸入届出は輸入する製品の安全性を確保するために必ず必要な手続きとなります。

日本で認められていない成分が入っている場合は製品が日本に到着していたとしても輸入は出来ません。その場合は廃棄か輸出国への返送になります。

その費用は輸出入者のどちらかの負担となりトラブルになりかねません。従って安全かつスムーズに輸入できるように、輸出者との契約時に品質に関する売り手や買い手の責任の範囲やクレーム手続きを明確にしておきましょう。

また輸入手続きは輸入者の責任のもと行いますので、輸入する食品等について輸入者自らが理解し、食品衛生法に適合しているものであるか輸入前に書類の入手し確認を必ず行ってください。その中で内容に不明が少しでもあれば各所管へ相談するようお願いいたします。

参考HP

税関への届出と手続き

酒類の表示方法の届出について

酒類を輸入する前に、税関へ酒類の表示方法(裏ラベル)の届出を行います。その後、現地で容器に貼り付け、もしくは日本到着後に保税地域から引き取る時までに貼り付けが必要になります。

輸入酒類の表示届出に関しては輸入する酒類が蔵置されている保税地域を管轄する税関にて行うこととなります。申請方法に関しては各税関のHPでご確認ください。

また表示方法は表示項目、文字のサイズが決められていますので、詳しくは税関が発行している手引きを参考に作成ください。

酒類の表示方法の届出の流れ(東京税関)

1、酒類表示義務事項及び表示方法届出書記載例を参考にラベルデータを作成。

2、酒類表示申請書類を税関へ提出

提出の方法は窓口または郵送になります。

窓口での受付は不備がなければ当日許可が下ります。郵送の場合は7営業日ほどみておいたほうが良いでしょう。不備があった場合は電話で指導が入り、修正箇所を修正して再申請となります。

(届出及び問い合わせ先)

〒135-8615 東京都江東区青海 2-7-11 東京港湾合同庁舎 1 階 東京税関業務部収納課許可係
TEL:03-3599-6335
FAX:03-3599-6654

必要書類

・表示方法届出書(別紙「表示方法」を含む) 2 部(税関用・交付用)
・酒類販売業免許証(又は通知書)の写し 1 部
・返信用封筒(郵送で届出を行う場合) ※送料分の切手を貼付してください

3、ラベルの印刷、貼り付け。

先述したとおり、裏ラベルは保税地域から引き取るまでに貼り付ける必要がありますので、食品を保管する倉庫を探す際は、保税区がありかつラベルの貼り付け業務を行ってくれる倉庫がベストです。

食品は他の製品と比べ輸入に時間がかかりますので、港の保税区ではなく自社で契約した倉庫の保税区に移動させてから輸入手続き、ラベル貼り付けを行った方がコスト的にも安心です。

またラベルに記載する「品目」の判断ができない場合は税関に事前教示を受ける事も可能です。その際原材料表と製造工程表が必要になります。

ラベルの作成について

①ラベルのルール

ラベルのルールに関しましては下記税関の書類を参考下さい。

文字サイズや記載必須事項がございます。

https://www.customs.go.jp/tokyo/sodan/sakerui_hyoujihouhou.htm

②酒類表示方法の届出(ラベルの申請)

輸入酒類のラベル申請は税関が担当しております。

新製品を輸入する場合や、記載必須事項の内容が変更になった場合申請が必要になります。

③東京税関へ郵送

ラベルが完成したら、申請書類を作成し、東京税関へ郵送する(返信用封筒同封)

申請先

  • 東京税関 業務部収納課許可係
  • TEL:03-3599 6335
  • FAX:03-3599-6654
  • 東京税関の受付 午前 9-12時 午後 13-17時

必要書類

  • 表示方法届出書*社印押印(2通)
  • 酒類販売免許証(2通)

相談先

ビールを輸入の場、日本では発泡酒に該当する場合があります。ビールか発泡酒かは成分表で確認します。

例えば次のような成分の場合は、発泡酒になります。

  • 100%-水77%=23%
  • 麦芽:20%
  • 20%÷23%=86.9%→麦芽率
  • 1%÷20%=5%→副原料率

ビールの条件

  • 麦芽率が50%以上であること
  • 指定された副原料を「5%未満」使用していること

*発泡酒でも、麦芽率によって酒税が異なります。

*添加物は「/」以降に記載する
但し、キャリーオーバーの添加物は省略可能→保健所へ判断を仰ぐ

*賞味期限表示は「年月日」の順番で表記要
(海外の表記で記載されているもの例:日月年)は日本人にとって馴染みのない表記の為輸入者が責任をもって年月日へ表記を変更する必要があります。期限表示を他の義務表示事項と一括して記載することが困難な場合、別記様式1に『消費期限 この面の上部に記載』等、記載箇所を明確に表示すれば、他の個所に記載することができます。

参考HP:食品衛生の窓

ラベルの申請は、日本で貼る場合は貨物到着前までに行う必要があります。

税関の申請が下り次第印刷にかけるといった流れです。

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  • 申請するのは会社か個人事業か?会社の場合は会社名
  • 申請場所はどこか(例:東京都葛飾区)
  • 販売したいお酒は何か(例:フランスから輸入したワイン)
  • 販売方法は?(ワインを飲食店に販売、日本酒を通信販売、ウイスキーの輸出、など)
  • 申請者の経歴

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