過去に酒類の無免許販売で処分を受けた場合でも、欠格期間を経過した後であれば、改めて酒類販売業免許を申請することができます。
今回は、大阪府の個人事業者様からご依頼をいただき、一般酒類小売業免許と通信販売酒類小売業免許の取得をお手伝いしました。
申請者様は以前バーを経営しており、お酒の販売に免許が必要であることを知らずに販売してしまったため、税務署から無免許販売の指摘を受けていました。その後、欠格期間である3年が経過したことから、改めて酒類販売業免許の取得を目指して申請を行いました。
過去に処分歴がある場合の酒類販売業免許申請について、実際の審査対応や免許取得までの流れをご紹介します。
1. 事例の概要
大阪府の個人事業者様からご依頼をいただき、一般酒類小売業免許と通信販売酒類小売業免許の取得をお手伝いした事例です。
申請者様は、過去に酒類を無免許で販売したことについて税務署から指摘を受け、その際に一定期間は酒類販売業免許を申請できない旨の説明を受けていました。
その後、税務署から説明を受けていた期間が経過したため、改めて酒類販売業免許の取得を目指して申請を行いました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請地 | 大阪府 |
| 申請者 | 個人事業者 |
| 取得した免許 | 一般酒類小売業免許・通信販売酒類小売業免許 |
| 申請日 | 2022年6月13日 |
| 免許取得日 | 2022年8月31日 |
| 申請から取得まで | 約2か月半 |
| 本事例のポイント | 過去に無免許販売の指摘を受けた後、一定期間を経て改めて申請 |
2. ご相談の経緯
申請者様は以前バーを経営しており、ウイスキーにも詳しい方でした。
しかし、当時、お酒をボトル等で販売するためには酒類販売業免許が必要であることを十分に認識しておらず、免許を取得しないまま酒類を販売したことで税務署から指摘を受けました。
その際、税務署から一定期間は酒類販売業免許を申請できない旨の説明を受け、その期間が経過するのを待って、改めて酒類販売を始めることになりました。
過去の経緯があることから、申請にあたっては「今回は適正な手続きを踏んで確実に酒類販売を始めたい」とのご希望があり、当事務所へご相談いただきました。
店頭での販売に加えてインターネットでの通信販売も予定していたため、一般酒類小売業免許と通信販売酒類小売業免許を同時に申請しました。
2022年6月13日に申請し、審査の過程では販売方法や取扱予定の商品リストなどについて税務署から確認がありました。それぞれの照会に対応し、同年8月31日に2種類の免許を取得することができました。
3. 過去に無免許販売の指摘を受けた場合の酒類販売業免許
酒類販売業免許の申請では、申請者が酒税法第10条に定める拒否要件に該当していないかが審査されます。
たとえば、酒類販売業免許の取消処分を受けた場合や、酒税法など一定の法令違反により罰金刑・通告処分を受けた場合には、その内容に応じて、処分等から3年を経過していないことが拒否要件となる場合があります。
ただし、「過去に無免許販売をしたことがある」という事実だけで、一律に3年間申請できないと決まるわけではありません。実際にどの拒否要件に該当するのか、処分の内容や時期を確認する必要があります。
今回の申請者様については、過去に税務署から無免許販売の指摘を受けた際、「3年間は免許を申請できない」との説明を受けていました。その期間が経過したことを確認したうえで、今回の申請を行っています。
また、過去に指摘を受けたことがあるからといって、期間経過後の申請について別の審査基準が適用されるわけではありません。
本件では、審査の過程で販売方法や取扱商品の内容などについて複数の確認がありましたが、必要な説明や資料提出を行い、最終的に一般酒類小売業免許と通信販売酒類小売業免許の取得に至りました。
過去に酒類の無免許販売や税務署からの指摘を受けたことがある場合には、「何年前のことか」だけで判断せず、当時の処分内容や経緯を確認したうえで、現在申請が可能かを検討することが重要です。
4.酒類小売業免許と通信販売酒類小売業免許を同時に取得
本事例では、店頭販売と通信販売の両方を行いたいというご希望から、2つの免許を同時に申請・取得しました。それぞれの免許の特徴は以下のとおりです。
| 免許の種類 | 一般酒類小売業免許 | 通信販売酒類小売業免許 |
| 販売方法 | 実店舗(販売場)での対面販売 | インターネット・カタログ等による通信販売 |
| 販売エリア | 同一都道府県内であれば配達等も可 | 2都道府県以上の広範な地域の消費者を対象 |
| 取扱酒類 | 原則すべての品目 | 輸入酒類、または年間課税移出数量が3,000kl未満のメーカーの酒類に限る |
| 登録免許税 | 3万円 | 3万円 |
2つの免許を同時に申請することで、処理期間を短縮できるメリットがあります。ウイスキー等の輸入酒類や小規模メーカーのお酒を全国に通販で販売したいという場合、一般酒類小売業免許だけでは対応できないため、通信販売酒類小売業免許の同時取得は非常に有効な選択です。
5. この事例のポイント:個人事業者として申請する場合の注意点
法人ではなく個人事業者として申請する場合、主に以下の点に注意が必要です。
- 免許は申請者個人に付与されるため、法人化した場合は改めて法人名義での免許申請が必要になります。
- 申請者本人の経歴・略歴が審査対象となります。特に過去の法令違反歴がある場合は、詳細な説明資料の添付が求められます。
- 経営基礎要件(資金面の審査)として、直近の所得税の確定申告書・納税証明書等の財務資料が必要です。
- 申請者が酒類販売管理者を兼務することが多いため、申請前または免許取得後速やかに酒類販売管理研修を受講しておくことが望ましいです。
6. 申請から免許取得までのスケジュール(本事例)
| 時期 | 内容 |
| 2022年6月13日 | 申請書類を税務署へ提出・受理(申請開始) |
| 審査期間中 | 税務署による審査(販売方法・商品リスト等についての確認・照会への対応) |
| 2022年8月31日 | 免許取得(申請から約2ヶ月半) |
標準処理期間は申請書提出の翌日から約2ヶ月とされていますが、本事例では過去の経緯に関する確認事項への対応が生じたため、やや長めの約2ヶ月半での取得となりました。書類の準備を万全にし、税務署からの照会に迅速に対応することが、スムーズな免許取得につながります。
7. よくある質問
Q. 過去に無免許で酒類を販売してしまった場合、免許は一生取得できなくなりますか?
一律に取得できなくなるわけではありません。酒税法上の欠格事由に該当する場合、その内容に応じて一定期間(多くの場合3年程度)は申請できないとされますが、その期間を満了すれば改めて申請することができます。
Q. 税務署から「3年間は免許を取得できない」と言われました。この期間はどのように数えればよいですか?
該当する処分・事実があった時点を起点に数えるのが一般的ですが、どの欠格事由に該当するかによって起算点の考え方が異なる場合があります。過去に指摘を受けた具体的な内容(罰金刑、通告処分等)を確認したうえで、個別にご相談いただくことをおすすめします。
Q. 過去の違反歴がある場合、通常の申請より審査は厳しくなりますか?
審査そのものの基準が変わるわけではありませんが、経緯の説明や販売計画についてより詳細な資料の提出を求められる傾向があります。本事例でも、販売方法や商品リストについて審査の過程で確認事項が生じました。
Q. 店舗販売と通信販売、両方を行いたい場合はどうすればよいですか?
一般酒類小売業免許と通信販売酒類小売業免許を同時に申請することをおすすめします。後から通信販売免許を追加取得するよりも、同時申請のほうが手間・時間・費用の面で効率的です。
まとめ
- 過去に無免許販売の指摘を受けた方でも、欠格期間を満了すれば免許申請の資格は回復する
- ただし、経緯がある場合は通常より詳細な審査が行われる傾向があるため、専門家によるサポートが特に有効
- 店舗販売と通信販売の両方を行いたい場合は、最初から2つの免許を同時申請するのが効率的
酒類小売業免許の申請に関するご相談があれば、岩元事務所までお気軽にお問い合わせください。行政書士・社会保険労務士 岩元事務所では、全国対応・2,000件以上の実績で、初回相談は無料にて承っております。










